先日長男と映画の話しをしていて、「瞳の奥の秘密」を観たかったけど、チャンスを逸してみる事が出来なかったと話したら、「DVD持ってるよ」と言って、先週末持って来てくれました。
 
 アルゼンチンの映画ですが、82回アカデミー賞、最優秀外国語映画賞を受賞しています。2010年夏に日本公開だったと思いますが、当時の新聞でも絶賛していました。そんなわけで思いがけず観ることができました。
 刑事裁判所を引退したベンハミン(ヒカルド・ダリン)が25年前に起きた忘れられない残酷な銀行員の妻殺人事件を題材に小説を書き始める所から始まります。ミステリーと25年愛を同時進行させながら展開する物語です。上司だった女性イレーネ(ソレダ・ビジャミル)、同僚、妻を殺された銀行員…俳優を一人も知りませんでしたが、それぞれがとても魅力的に描かれています。小道具のAが打てないタイプライターがまた良いのです。
  時代は1970年代、ペロン大統領が病死し妻のイザベルが大統領になったものの政治不安定な情勢の中での物語です。この映画がアルゼンチンで公開された時には歴史的な大ヒットをして、アルゼンチンアカデミー賞13部門を獲得したそうです。
 タイトルの「瞳の奥の秘密」ですが、それぞれの瞳が物語る…「目は口程に物を言う」…そんな映画でした。派手さはないものの全編飽きさせない、大人の心にしみじみと残る一本になると思います。もう一度観たい映画でした。★