昨日、妹と公開されたらすぐ観に行きたいね…と話していた映画『the Help』を観て来ましたオクタヴィア・スペンサーがアカデミー賞助演女優賞を取った他、英国アカデミー賞や映画評論家協会賞でも主演・助演女優賞を取った作品です。

イントロダクションで紹介されているように、有名なスターも出なければ、派手なアクションもない、それなのに全米で大ヒットした作品です。
 舞台は1960年代 のアメリカ南部の町、今以上に人種差別だけではなく性差別もひどかった頃の白人女性とその家事などを丸投げされた“ヘルプ”と呼ばれる黒人女性達の物語です。自分の子供達のことを顧みず遊興やボランティア活動などに熱中する白人女性達、その子供を自分の子以上に愛情を注いで育てる黒人女性達…。この作品の中の黒人女性は愛情にあふれ、悲しみにあふれ、ユーモアにあふれそして、強く描かれています。泣いて笑って、子気味よく描かれた作品でした。

 映画を観ている間中ブラジルで使っていたマリアという黒人のメイドの事を思い出していました。いつも涙を浮かべたような大きな瞳が、賞を貰ったミニー(オクタヴィア・スペンサー)の瞳と重なったからです。
 ブラジルは一般的には人種差別は少ないと言われている国です。でも乗るエレベーターは別、トイレや使うシャワー室も別…やっぱり差別(区別?)していました。山の上のファベイラ(小屋)に住んでいるので、流行っている病気を持ち込まれないよう部屋の裏口にあるシャワー室でシャワーをして、制服に着替えて家の中に入って来ます。
 日本人の私のメイドの使い方が優しすぎるとブラジル人の友人に良く言われていました。日本人の家で甘やかされて働いたメイドは次に厳しく使うブラジル人の家では使い物にならないというのが理由です。それでも差別をしながら差別をしきれない自分がいました。そんなことを思いながら胸を痛めながら見た映画です。
 ただ悲しいだけではなく、ユーモアや白人女性たちとの友情のようなものもあり、久々にエンドロールまでゆっくり味わった映画でした。胸に沁みる人間のこころをつなぐ愛の物語です。また週末は少し冷えるという天気予報です。そんな日には心温まるこの映画はお勧めです(=⌒▽⌒=)。★