今日は大学病院の6週間に一回の検診日でした。検査室が何と80人待ち…これで今日の映画をみようという企み?はボツだなぁと半ば諦めていました。ところが30分でランチを済ませて戻ったらもう呼ばれたらしく、看護師さんが「早く中へどうぞ…」と案内してくれました。確かさっきは「2時間は待ちますからランチゆっくりどうぞ…」って言ってくれたのに。ここで事態は好転…精算してお薬を貰って下調べしていた映画館の中で一番待ち時間の少ないシネコンへGO!
 
 去年から年をまたいで上映しているので、劇場はガランとしていて10人もいないくらいでした(これはこれで寂しい!!)予告編が終わり、独特の言い回しの、落ち着いたトーンのナレーションでドラマが始まりました。早起きしたからか眠い…。原作を読んでいたので、原作に忠実に進んでいくのかと思ったら、殆どのシーンが導入がなくて何事も唐突な感じがして結果や状況のみに走っている感じがしました。これでは原作を読んでなければ分りにくくただの青春恋愛ドラマ?
 原作のまったりした風潮がイマイチ好きではありませんでしたが、映画に比べたら数倍読み応えがあったと思います。
 そうは言っても、ベトナム人のトラン・アン・ユン監督の映像はとてもきれいで引き込まれました。私も同じような時代に同じ空気を吸って生きていましたが、私の青春はあれほど暗くはなかったなぁと思いながら、景色やファッションや学生運動の様子を見て懐かしく思いました。それは忠実に再現されていてよかったと思います。
 キャストについては前にも書いたかもしれませんが、この映画は松山ケンイチと水原希子がイメージを裏切らなかったと思います。松山ケンイチは素晴らしかったですね。色々悩む20歳なのに、少年のような笑顔や目がなんとも言えず魅力的。この作品はビートルズの『ノルウェイの森』の音楽と美しい映像で何となくいい映画を観た…という気持ちになるけれど、やっぱり若い人には原作を読んで欲しいと思います。
 前評判の割りに『武士の家計簿』に比べ話題にならなかったワケが分るような気がしました。思い思ってやっと観た映画でしたが、いろんな意味でもう一度気持ちを真っ白にして原作『ノルウェイの森』を読んでみようと思いました。★