私はブラジルに住んでいる4年間で200本近くの映画を見ました。安全な場所に住んでいましたが、当時は危険なことの多い国で、女性が楽しめる娯楽もなく、メイドさんがいると家事も食事を作るくらいで暇を持て余していました。
 ポルトガル語の勉強も継続していたし、デッサンに通ったり、アンティークのお盆作りや、半クロスステッチでブラジルらしい絵を刺繍し壁に飾ったりしましたが、それでも子供たちが幼稚園や小学校に通っている間の時間はたくさんありました。その時間に近くに4つある映画館で、ブラジル人と結婚している友人とよく映画を見ました。アメリカやフランスの映画をポルトガル語の字幕で見ると不思議な感じでしたが、英語、ポルトガル語の勉強にもなるし、とても楽しみました。勿論ブラジルのB級っぽい映画も見ました。
 ある日、友人から「日本の映画が来るよ」…と誘いを受けて見に行ったのが、大島渚監督の日仏合作映画『愛のコリーダ』でした。色んな情報もなく見に行きましたが、若かった私にはとても正視できないような内容の映画でした(でもしっかり見ましたが…ガーンあせる)。ブラジルですから勿論ノーカット版です。
 映画が終ったら陽気なブラジル人たちが口笛を吹いたりして喝采していました。劇場が明るくなった時には、なんだか自分が日本人であることが恥ずかしいような気持ちになってうつむいていて、友人と二人一番最後に劇場を出ました。このノーカット版を見るためにフランスへとツアーが組まれたのを知ったのはずっと後のことでした。
 主人公を演じた藤竜也さんは元々好きな俳優さんでした。今日、久し振りにNHKの“スタジオ・パーク”に出演と新聞で見たので、録画して出かけました。帰ってきてから見ましたが、彼ももう69歳だそうです。役作りのための努力は惜しまない俳優さんと言うのは知っていました。彼がずっと以前に英語の勉強をしていると言うのを聞いたことがありましたが、今も英字新聞を読んだりして勉強を続けられているそうです。久し振りに見た彼は若い頃より飄々としていてなかなか素敵で、お仕事を含めた人生を楽しんでいらっしゃるように見えました。最近は藤竜也より若手の藤原竜也の方に注目していましたが(*^▽^*)、年を重ねて陶芸をしたり、近所の男性たちとお料理を作る会を開いている…と言う話をされているのをみて、また藤竜也さんに注目してみようかなぁと思いました(笑)。★