今日から9月、少々寝不足の朝です。
 夜、PCを閉めに来た時に机の上に置いてあってずっと気になっていた一冊の本をついに手に取りました。何気なく開いてみたら止められなくなってとうとう読んでしまいました(本編だけですが…)。
 これは以前、父が長男に「おじいちゃんと同じ体験をした人がいるよ。面識はないけれど同じくらいの年齢だと思う」と一冊の本の紹介の載った新聞の切抜きを渡したそうです。それが平成10年初版発行の、小田 敦巳著「一兵士の戦争体験」(ビルマ戦線 生死の境)と言う本です。この前長男が帰って来た時に「余りになまなましくて、おじいちゃんに渡したものかどうか」と言っていたのを何となく耳の端に聞いていました。その後忙しくて、この本を目にはしていたのですが、読むまでは至らず、夕べ何気なく開きました。。
 著者は父より3歳下で、召集令状が来てから21歳の誕生日の数日後に入隊し、父と同じビルマ(現ミャンマー)に送られた方です。父は召集令状が来たあたりの話しは余りしませんでしたが、ビルマでの惨状、仲間の死、九死に一生を得たこと、現地の人の優しさ、現地で食べたもの…などを問わず語りに子供の頃から聞かせてくれていました。私はメモをとる習慣がなかったのでうろ覚えの所もありますが、この著者と父が話してくれたことが重なりました。父も同じような思いをしながら戦争の中を生き抜いてきたのか…それが今の父の物に動じない、淡々とした姿を作っているのかと納得しました。
 この本を息子が私に父に渡して欲しい…と思って、私の目に触れるところに置いていたのかどうかわかりません。今朝早く起きなくてはならなかったので、ゆっくり読む時間はありませんでしたので、これから手元に置いてもう一度じっくり読もうと思っています。そして母の原爆体験と共に、たくさんの若い命を奪った悲惨な戦争が2度と起こらないように子や孫や曾孫の代まで伝えていかなくてはならないと思いました。8月最後の日に何気なく手に取った本、これを父に渡すのが良いのかどうか…今、私も迷っています。★