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今までさわりで話題にしてきたkヒコの学校についてですが

今日はそれをテーマに書いていきます。


kヒコの行ってる学校は、地元では結構有名だ。

だが、

有名は有名でも、進学校だとかそういう意味ではなく、

自分の学校をCMで宣伝しているのだ。


だが、このCM、あまり評判がよくない。

まず、みんなCMにでてくる女の人の顔が怖いという。

そして、その背後で流れている、SEが気持ち悪い。


まず、このCMのせいで、自分の学校に誇りをもてない。

もし、kヒコが初対面の人から

「君、どこの学校行ってんの?」

とか言われたら、いちばんいやだ。

からかわれる事間違いないから。


しかも、このCMはうちの学校の先生が作ったらしい。

(うちの学校には、テレビ、CM関係の科目もある。)

何も知らない新入生にこの事を教えてあげたら

みなライバル校のモード学園に行く事間違いなし!


関西圏に住んでる人は、大体どこの学校か見当がついたかもしれない。

それ以外の人にはチンプンカンプンだとおもう。


話をさかのぼる事2年前、kヒコは中学3年生だった。

恐怖の高校受験の年だ。

しかし、私は勉強や受験なんか眼中になく、

何も考えずにプレステで遊んでいた。


一応塾にもいってたが、行っただけで勉強なんかしないで

ノートをとるまねをしたり、宿題をサボるのもしょっちゅうだった。


そんな感じだから、中学2年のころに先生にこういわれた。

「あなたが受験できる学校は、一つもないです。」

クラス単位だと、トップクラスのアホだ。

怖いものなしである。


そんなkヒコのために、親ががんばってkヒコでもいける

学校を探していた。

そして、中学3年の春に今通う学校を知った。


カタログを見た。

コンピュータがずらりと並んでいる。

なんと、この学校で勉強すると、グラフィックデザイナーや

プロデューサー、プログラマーになれるというのだ。

それがどんな職業か、当時は何も知らなかったが、

何かすごいものを感じた。心惹かれた。


さらに読んでいくと、3Dグラフィックソフト、”MAYA”

や、ヘッドマウントディスプレイ、など、わけがわからんが

心惹かれる設備が数々書かれている。

なんとそれは、実際のハリウッドの現場で使われてるのと

同じ機材なのだそうだ。

これはすごい、すごいよかんだ!


そのころkヒコが絵に出会ったということもあって、

即入学を決意した。

こうして、あほのkヒコは受験戦争から、

戦時中の身体検査で醤油を飲んで体を壊すのごとく、

逃れたのである(笑


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kひこは、親が発見したコンピュータの学校に

家族で見学会に行った。


見学会では、様々な設備を見学した。

どの部屋にもコンピュータがならんでいて、

kヒコの中学校の貧弱な設備をはるかに凌駕していた。

(ように見えた。)


(ちなみに、中学の技術家庭の先生は股間の辺りが臭く、

フケが目立ち、ダンボールを集めるのが趣味だそうだ。)


そして、別の校舎に移動するという。

その学校の先生が、「移動なので車に乗ってください」

というので、車に乗ったら・・・なんと、外国の何千万円もしそうな

高級車が現れた。kひこは、おお・・なんとすごい学校だ

思いながら、その車に乗り込んだ。


どうやらそれは、イギリス製らしく、シートは皮、窓の周りは

木で出来ていて、いかにも高級車、セレブ!!

な雰囲気が出ていて、迫力があった。


移動先に着くと、つい最近立てたような立派な校舎があり、

中には、でかいスタジオや今まで見たことのないようなデザインの

パソコンが置かれていた。

実際に先生が機材で実演して、具体的に説明する様をみると

「え~すごいんだなぁ~」と思ってしまう。


それからのkヒコは、

高校受験から逃れた事に酔いしれ、

みなが苦しむ姿を横目で見ながら、いい気になって

のんきに昼寝をしてた。このころはすごくいい気分だった。

「俺は他人と違うのだ~」と、へんな優越感を感じたりもした。


そして、kひこは入学した。

入学して次の日に、指定された教室へ行くと、

あの独特の緊張感が漂っていた。


kヒコは友達を作ったり、女の子と接するのが苦手だ。

とくに、女性に関してはトラウマがある・・

だから、「これからどうしよう・・・友達がいないと

学校生活が惨めになる」と、不安になった事もあった。


だが、案外相手は向こうからやってきた。

そのひとも、kヒコと同じ京都の人だったので、

その日から毎日一緒に帰っていた。


そいつはヲタッ気があるやつで、その手のゲームを一緒にやった事も

あるし、その手の店にもいった。k彦は別にオタクを否定しないので

そういう店にいった感想は面白かったとしか言いようがない。

ゲームは、キャラは確かにかわいいけど、ゲームとしては

フラットすぎてつまらなかった。多分、そういうオタでないkヒコには

理解できないのだと思う。


だが、友達が出来たとたん、今度は付き合いに疲れてきた。

友達と一緒に帰るときが特にしんどかった。

そのころkヒコは、目が痛くなるまで絵の練習をしていたので

時間がなかった。


それなのに、帰るときにのろのろと歩く友達と付き合うのは

いやだし、その上くだらない話を聞きながら、というのが

気に食わなかったので、ある日からそいつを無視し続けた。


1ヶ月くらい無視し続けると、あまりしゃべらなくなったが

そいつを客観的に見れるようになり、くだらないやつなんだな

とわかった。だから、無視して友達を失った事は後悔していない。


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友達と絶交したのが高1の秋、

まあ、ただの友達を100人作るより、100人のすごい人脈をもつ

一人に親友と深く付き合う方がよいというではないか。


そして、もうすぐ寒い寒い冬がやってくる。


このころ、kヒコは学校の真実を悟り始める。

まず、先生がどんどん消えていくのだ。kヒコの知る限り

毎年1人から2人は消えていくのだ。なぜ消えていくのか、

理由は当然・・・・・・


そして、カタログに書いてあった機材がなかなか授業に登場しない。

みんなその機材を使って楽しく実習する事を目当てにしてきてるのに

なかなか授業に登場しない。

授業ばかりだ。

みんな当然やる気をなくして腐っていく。


そして、極めつけは、

パソコンが動かない・・・・・・

じつは、カタログに書かれていたコンピュータルームのパソコンは、

つぶれている、もしくは、機能不全か低いスペックか、

いずれにしてもほとんどまともな状態ではない。


映像や画像関連のソフトは、パソコンに大きいスペックを要求するのだが

学校側は、スペックよりもパソコンの値段を優先させて

選択しているようなのだ。だから、ソフトがパソコンに対応できず

まともに稼動しないパソコンが多い。


学校の実習担当の先生も言っていた。

「この学校はそういう知識や経験のない人にそういう権限があるからね。

やってるこっちは大変だ・・・」

みたいな事を言っていた。だから、授業に出てくる先生もやる気がない

ように見える。


当然そうなってくると、kヒコは学校に対して疑問を持たないわけには

行かない。

そして、ネガティブな先生の言動や、空気に流されて、

いつの間にか、初めのころあったなにかを失っていた。


だが、悪い事だけではない。

まず、偏差値が小学生並みのkヒコでさえ入学させてくれた学校に

感謝してるし、体育祭やプール、修学旅行など、余計なイベントがなくて

助かってる面も多い。


そういえば、中学のころの体育の先生は、やたらに威張り散らしていて

気持ち悪い。古い徒弟制度のしきたりを引きずってるのかなんか

知らないが、いまどきそういう教育は古い。

それに、偏差値偏重主義でえこひいきが激しい。


やたら塾や勉強、偏差値について話してるやつがいると、

kヒコとは次元が違うので気持ち悪くなる。

しかも、そういうやつに限って性格の悪いやつが多い。

偏差値という馬鹿の壁の中で生きるかわいそうな人たちなのだろう。

ほんとうに、視野狭窄に陥ったかわいそうな人に思えてならない。


今の学校には、そういう先生、生徒はあまりいない。

そういう意味ではいいところだとも思う。

(ただ、フラットすぎてあっさりしすぎているのも気にかからない

ではないが)


しかも、kヒコのクラスは超少人数制だ。

なんと、9人しかいない、


その中でまともに来てる人は、現在2人しかいない。


1年のころは、確かに9人いた。

学校生活が始まって2週間後、はじめの一人が消えた。

それ以来学校で見たことがなく、2年になってからは

出席簿から抹消されていた。


その次は、女子が一人消えた。

はじめはほぼ毎日来ていた。絵が上手で面白い人だったが

1年の3学期ごろから出席率がほとんどなくなり、

去年の夏に一回見て以来、学校に一度も来ていない。

(まだ、抹消はされてないようだ)


ほかにも、頭の次元が違うのか、学校に来た瞬間

突然帰りだしたたり、なに考えてるかわからん人とか

テストのときも平気でサボるやつとか、

授業中に猿みたいに騒ぐやつとか、

自分にすごい自信を持ってる、何かの神話にいそうな人とか、

世の中の広さを実感する。


だが、類は友を呼ぶというじゃないか。

もしかしてkヒコも・・・・???


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kヒコの今行く学校は、ゴキブリがよく発生する。

でかいやつなら2回ほどみた事あるし、

たまに小さい、まだはねのない7ミリほどのやつがよく出る。


たしかに、kヒコの行く学校は、地震が来たらつぶれそうだし、

パッチワークのような建て増し校舎だから、

中が奇妙な構造になってる事は否めないが、

それに加えて汚いのだ。


教室のエアコンの空気を吸い込む部分には、かなり

埃が貯まっている。しかも、半分机でふさがれていて

掃除できない。

たぶん、掃除のおばちゃんも、学校に幻滅してるのだろう。


kひこは、学校に入学してはじめの実習で<html>に

出会った。

<html>とは、ホームページを作る言語の事だ。

kヒコは理解力が弱いので、覚えるのに時間がかかったが

「これを使えば、いろんな人にじぶんの絵を見てもらえるのでは

ないか」とひらめいた。


そして、学校からもらった市販のテキストをみて、

ホームページの基礎を自分なりに勉強した。


そして、何とか作った!

しかし、ここで問題が発生した。

そもそも人に見せるためにかいた絵がない・・・・・・


こうして、全ておじゃんになったのであった。


kヒコの学校にも、いい先生がいないわけではない。

たとえば、夏場に外に実習に行ったときに

がりがりくんを買ってくれた先生がいる。

その先生は、おもしろいし、生徒の立場に立ってくれるので

おもしろい。


また、学校の愚痴ばかり言ってる先生がいるが

その話の内容が面白い。

かなりマニアックな内容なので、ひそかに聞いて

楽しんでいる。


このシリーズの内容にある学校の事情は

その先生のくちから聞いたことに大きく助けられてることは

いうまでもない。