●外国人客が多い紅茶専門店
京都に外国人客が増えて、京都の名物である抹茶が外国人の間でブームになっています。
錦市場に近い紅茶専門店セレクトショップ/烏丸錦店(代表:中野光崇)でも、抹茶の売上がとても多くなっています。
●抹茶がブームになっている理由とは?
外国人が抹茶を好んで飲むようになった背景には、健康志向、文化的な魅力、美的価値、そしてライフスタイルの変化が複雑に絡み合っています。
まず最も大きな理由は 健康効果への期待 です。抹茶は茶葉を粉末状にしてそのまま摂取するため、緑茶のように抽出液だけを飲むのとは異なり、ビタミン・ミネラル・食物繊維・カテキンなどの抗酸化物質を丸ごと取り入れることができます。近年は「スーパーフード」として海外のメディアや健康関連の雑誌で取り上げられることが多く、免疫力の向上、アンチエイジング、リラックス効果(テアニンによる)、さらにはカフェインによる集中力アップが期待できる飲み物として人気を集めています。特にヨガやマインドフルネス、オーガニック志向のライフスタイルを持つ人々に支持されているのは、この健康面でのメリットが大きいからです。
次に、日本文化や精神性への憧れ も外国人が抹茶を好む理由の一つです。抹茶は単なる飲み物ではなく、日本の「茶道」という独自の文化や精神性と結びついています。茶道では「一期一会」という言葉に象徴されるように、その場限りの出会いを大切にする精神や、静けさと和の心を重んじる美意識が込められています。こうした哲学的な要素は、日常生活に忙しさやストレスを抱える人々にとって「癒し」や「心の余裕」を与えてくれるものであり、西洋文化にはない新鮮さとして魅力的に映ります。
さらに、抹茶は 視覚的・感覚的に美しい飲み物 です。鮮やかな緑色の粉末は「自然」「新鮮さ」「純粋さ」を連想させ、ラテやスイーツに取り入れるとフォトジェニックな見た目になるため、SNSを通じて拡散されやすくなりました。インスタグラムやTikTokのようなプラットフォームでは、抹茶ラテや抹茶ケーキの写真や動画が人気を集め、若者世代を中心に「オシャレでヘルシーな飲み物」として受け入れられています。
加えて、抹茶は 多用途性 も評価されています。飲料として楽しむだけでなく、アイスクリーム、チョコレート、ケーキ、さらにはパンやシリアルまで、さまざまな食品に応用できる点は大きな魅力です。健康志向の人だけでなく、甘いものを好む層にも受け入れられやすいことが、世界的な人気を後押ししています。
総合すると、外国人が抹茶を好んで飲むのは「健康的で、美しく、文化的背景が深く、現代的なライフスタイルにも合致する飲み物」だからです。つまり、抹茶は単なる嗜好品を超えて、心身の健康や文化体験を提供する存在として、世界中で愛されるようになったと言えるでしょう。
●外国人は抹茶を飲むときは「抹茶ラテ」にして飲む理由は?
外国人が抹茶を飲む際に、ストレートではなくミルクを加えて「抹茶ラテ」として楽しむことが多いのには、いくつかの文化的・味覚的・ライフスタイル的な理由があります。
まず大きな理由として 味の飲みやすさ が挙げられます。抹茶は本来、苦みや渋みをしっかり感じる飲み物です。茶道でいただく濃茶(こいちゃ)は特に強い苦味と旨味を持ち、慣れない外国人にとっては刺激が強すぎることがあります。そこで牛乳を加えることで、苦みや渋みが和らぎ、まろやかでクリーミーな口当たりに変化します。これにより、抹茶を初めて体験する人でも抵抗感が少なく、カフェドリンク感覚で親しみやすくなるのです。
次に、カフェ文化との親和性 も重要です。欧米を中心に「ラテ(latte)」というスタイルはすでに広く定着しています。エスプレッソにミルクを加えたカフェラテや、チャイラテなど、濃い味の飲み物をミルクで柔らかく仕上げる習慣があり、そこに抹茶を置き換えることは自然な流れでした。抹茶ラテは、既存のカフェメニューにすんなり組み込めるため、スターバックスをはじめとする大手コーヒーチェーンが導入したことで一気に広がり、日常的に選ばれるドリンクとなりました。
また、視覚的な魅力 も理由の一つです。鮮やかなグリーンとミルクの白が混ざり合う抹茶ラテは非常にフォトジェニックで、SNS映えする飲み物として人気を集めています。特に若い世代にとっては「美味しい」だけでなく「見た目が美しいこと」も飲み物を選ぶ基準のひとつであり、抹茶ラテはその需要にぴったり合致しています。
さらに、健康志向と indulgence(ご褒美感)の両立 も抹茶ラテの魅力です。抹茶そのものは抗酸化作用やカテキンによる健康効果が注目される一方、ミルクを加えることで飲みやすく「スイーツ感覚」でも楽しめます。つまり、健康に良いとされる飲み物を、心地よくリラックスしながら摂取できる点が、特に忙しい都市生活者にとって魅力的なのです。
最後に、文化的距離を縮める役割 もあります。抹茶そのものは日本文化に根差した奥深い飲み物であり、伝統的な茶道と結びつけると少し「敷居が高い」イメージを抱かれがちです。しかし、抹茶ラテにすることで「おしゃれなカフェドリンク」という形に変換され、外国人にとって日常的に取り入れやすくなりました。これにより、抹茶を特別な場面だけでなく普段の生活の中で楽しめる存在へとシフトさせたのです。
総合すると、外国人が抹茶をラテとして飲むのは「飲みやすさ」「カフェ文化との親和性」「見た目の美しさ」「健康と嗜好性の両立」「文化的な受け入れやすさ」という複数の要因が重なった結果です。抹茶ラテは、伝統的な日本茶の魅力を世界中の人々のライフスタイルに合わせて翻訳した存在とも言えるでしょう。
●紅茶専門店が抹茶を売っている理由
紅茶専門店が抹茶を取り扱うようになった背景には、単純な商品拡大以上の複合的な理由があります。そこには「市場の変化」「消費者ニーズの多様化」「日本文化の再評価」といった流れがあり、ビジネス的にも文化的にも必然性があるといえます。
1. 世界的な抹茶ブームと市場拡大
近年、抹茶は「スーパーフード」として世界的に注目されています。抗酸化作用を持つカテキン、リラックス効果をもたらすテアニン、持続的な覚醒を助けるカフェインなどの栄養成分が健康志向の人々に支持され、欧米を中心に抹茶ラテや抹茶スイーツが大流行しました。紅茶専門店が抹茶を扱うのは、単に「流行に便乗する」だけでなく、健康や美容を意識する層の需要を取り込む戦略でもあります。
2. インバウンド需要と日本文化の魅力
日本を訪れる外国人観光客の多くは「抹茶=日本文化の象徴」と認識しています。特に京都や宇治といった観光地では、抹茶製品の爆買いが珍しくありません。紅茶専門店といえども観光地に立地している場合、外国人客のニーズに応えるため抹茶をラインナップに加えることは自然な選択です。また、紅茶ファンの中には「お茶文化」そのものに関心を持つ人が多く、同じ茶葉文化である抹茶を紹介することで、日本独自のお茶の世界を伝える役割も担えます。
3. 紅茶と抹茶の共通性と補完関係
紅茶と抹茶は一見すると異なる飲み物ですが、どちらも「茶の葉」に由来しています。紅茶専門店にとって抹茶を扱うことは、お茶文化の幅を広げる試みであり、消費者に「紅茶も好きだけど、抹茶も試してみたい」という体験を提供できます。また、紅茶は欧米との結びつきが強い一方、抹茶は日本の茶道や和菓子文化と密接に結びついており、両者を併売することで「グローバルなお茶」と「ローカルなお茶」を同時に発信できる強みが生まれます。
4. ビジネス的な差別化と持続可能性
紅茶専門店は競合が増えており、単一ジャンルだけでは顧客をつなぎ止めにくくなっています。そのため、抹茶を取り入れることで商品ラインナップを拡充し、**新規顧客層(健康志向の人、外国人観光客、カフェ利用者)**を取り込むことができます。特に抹茶は粉末のため保存性が高く、スイーツやベーカリーなどへの応用範囲も広いため、店舗運営にとっても安定的な商品になります。
5. 日本人の「和」と「洋」の融合志向
現代の日本人は、洋風の紅茶を楽しむ一方で、和の抹茶や日本茶も再評価する傾向があります。紅茶専門店が抹茶を扱うことで「和と洋を融合した新しいライフスタイル」を提案でき、**“紅茶好きも楽しめる抹茶”**という新たな市場を開拓できます。特に抹茶ラテや抹茶スイーツといった洋風アレンジは、紅茶専門店の顧客にも違和感なく受け入れられます。
●外国の硬水で抹茶を美味しく飲むために、ミルクを加えて抹茶ラテにしたほうがいいか?
外国の多くの地域では、日本と比べて水質が大きく異なり、特にヨーロッパや北米の一部地域では「硬水」が一般的です。硬水にはカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分が多く含まれており、これらが抹茶の風味や口当たりに影響を与えます。
抹茶は繊細な苦味や旨味、ほのかな甘味のバランスを楽しむ飲み物ですが、硬水を使うと苦味や渋みが強調されやすく、粉が完全に溶けにくくなるため、舌触りがザラついたり、後味が重く感じられることがあります。日本のような軟水では抹茶が滑らかに溶け、旨味成分であるテアニンの甘みや香りが引き立つのに対し、硬水ではその繊細なニュアンスが伝わりにくくなってしまうのです。
そこで外国人が工夫として取り入れているのが、ミルクを加えて「抹茶ラテ」として楽しむ方法です。牛乳には乳脂肪やたんぱく質が含まれており、これが硬水によって強調される渋みや苦味をやわらげ、口当たりをマイルドにしてくれます。また、ミルクのコクや自然な甘みが抹茶の苦味と調和し、バランスの取れた味わいに仕上がります。
さらに、ラテにすることでクリーミーなテクスチャーが生まれ、硬水では得にくい「なめらかさ」を補うことができるのです。これは、日本茶道における伝統的な飲み方とは異なるものの、異なる水質や味覚文化に合わせた合理的なアレンジといえます。
つまり、外国の硬水環境では抹茶をそのまま飲むと繊細さが損なわれやすいため、ミルクを加えて抹茶ラテとして楽しむことで、抹茶本来の風味をより快適に味わえるのです。これは単なる嗜好の問題ではなく、水質や飲みやすさを考慮した文化的適応の結果であり、抹茶が国際的に広がる上で重要な飲み方の一つとなっています。
●抹茶スイーツは、京都でどのように発展してきたか
抹茶スイーツが京都でどのように発展してきたかには、茶道文化と観光産業の発展、そして現代的な食文化の融合という三つの流れが深く関わっています。
まず、抹茶は室町時代以降、千利休らによって茶道の様式が確立される中で「嗜み」としての価値を高め、京都は茶道文化の中心地として栄えました。そのため、抹茶を用いた菓子は茶会に欠かせない存在となり、伝統的な和菓子の中に抹茶の風味を生かしたものが登場しました。特に、羊羹や饅頭、落雁といった菓子に抹茶を取り入れることで、渋みと甘みの調和を生み出し、茶席にふさわしい上品な菓子文化が築かれていったのです。
次に、江戸時代から明治にかけて、京都は観光と文化の都市として多くの人々が訪れる場所となり、土産物としての和菓子が発展しました。このとき、宇治の抹茶を活用した菓子が「京都らしさ」を象徴する味わいとして人気を集め、抹茶を用いた銘菓が定着していきます。たとえば抹茶羊羹や抹茶饅頭といった商品は、観光客にとって「京都のお土産」として広まり、抹茶と和菓子の結びつきが一層強まっていきました。
そして20世紀後半以降、洋菓子文化やカフェ文化の波が日本に広がる中で、京都の老舗和菓子店や新興の菓子店が「抹茶」と「洋菓子」を掛け合わせた新しいスイーツを開発し始めました。抹茶ケーキ、抹茶アイスクリーム、抹茶チョコレートなどがその代表例です。特に、抹茶のほろ苦さと乳製品のコクや甘みの相性が良く、国内外の若い世代や観光客から爆発的に支持を得ました。さらに、抹茶は「健康的」「自然」「日本的」といったイメージを持つため、インバウンド観光客にとっても魅力的であり、京都の抹茶スイーツは世界的にブランド価値を持つようになりました。
つまり、抹茶スイーツは単なる流行ではなく、
①茶道文化に根ざした伝統、
②観光土産としての発展、
③洋菓子文化との融合、
という三段階を経て京都独自の形で成長してきたのです。現在では、京都の街を歩けば抹茶パフェや抹茶ティラミス、抹茶バウムクーヘンなど、伝統と革新が融合した多彩なスイーツに出会えるようになり、それ自体が観光の大きな魅力の一つになっています。
●外国人客が増えた京都の紅茶専門店でアルバイトする場合、上手く接客するコツ
京都の紅茶専門店(例:京都セレクトショップ/中野光崇)でアルバイトをする際、特に外国人客が増えている状況では、通常の接客スキルに加えて「文化的な背景への理解」と「言語・非言語コミュニケーションの工夫」がとても大切になります。紅茶は世界中で親しまれている飲み物ですが、国によって飲み方や好みが異なるため、外国人客に満足してもらうには「紅茶を通じて文化を橋渡しする」意識が重要です。
まず第一に大切なのは 笑顔と丁寧な態度 です。言語が完全に通じなくても、表情や雰囲気で「歓迎している」という気持ちはしっかり伝わります。特に京都を訪れる外国人観光客は「おもてなし」を期待しているため、丁寧な挨拶や姿勢が安心感につながります。
次に 分かりやすい英語表現 を身につけることです。完璧な英語でなくても構いませんが、「Would you like it with milk or lemon?(ミルクとレモン、どちらがお好みですか?)」や「This tea is from Uji, Kyoto. It has a mild flavor.(この紅茶は宇治産で、まろやかな味わいです)」といった簡単なフレーズを用意しておくと会話がスムーズになります。必要であればメニューに写真や英語説明を添えて指さしで対応できるようにすると、語学に自信がなくても安心です。
さらに、 外国人客の紅茶文化への理解 も重要です。たとえばイギリスやアイルランドの客はミルクティーを好む傾向が強く、フランスやイタリアの客は香りやブレンドにこだわる人が多いです。アジアからの観光客は「日本らしさ」を求めることが多いため、京都ならではの和菓子とのペアリングや、抹茶との違いを説明すると喜ばれます。このように国ごとの好みを知っておくと、提案の幅が広がり「よく理解してくれている」と信頼を得られます。
また、外国人観光客はただ紅茶を飲むだけでなく「体験」を求めている場合が多いため、紅茶の入れ方や茶葉の特徴を簡単に紹介するのも効果的です。「We recommend brewing this tea for 3 minutes.(この紅茶は3分蒸らすのがおすすめです)」といったちょっとしたアドバイスが、特別な体験につながります。
最後に、 柔軟な心構え を持つことも欠かせません。外国人客は日本人とは異なるリズムで会話したり、要望を直接的に伝えたりすることがあります。慌てずに「聞き取れなければ聞き返す」「分からなければメニューや写真を指さして確認する」といった対応を心がければ、トラブルを防ぎつつ安心感を与えられます。
総じて、外国人客が増えた京都の紅茶専門店での接客のコツは、
①笑顔とおもてなしの姿勢、
②簡単な英語表現の習得、
③国ごとの紅茶文化への理解、
④体験を提供する意識、
⑤柔軟で落ち着いた対応、
の五つに集約されます。
これを意識すれば、観光客に「ここでのひとときが特別だった」と感じてもらえる接客ができ、リピーターや口コミにもつながるでしょう。