NICCOは、2011年8月2日(土)~4日(木)の2泊3日間、山形県朝日町「Asahi自然観」キャンプ場にて、宮城県名取市立閖上中学校H22年度卒業生を対象としたサマーキャンプを開催しました。卒業式当日に地震、津波に襲われ、同級生3名や家族の命、家と故郷を失ってしまった閖上中学校卒業生。震災後、住む場所や高校がばらばらになってしまった仲間たち15人と閖上中学校の先生2人が5か月ぶりに再会し、震災や被災後の生活から感じている悩みやストレスを語らい、分かち合いました。
今回は、参加卒業生たちの許可を得て、このサマーキャンプの模様を皆さまに5回に分けてご紹介させていただきます!(毎週木曜日更新予定!)
報告者は、NICCO名取臨時事務所にて心理社会的ケアの活動を行う看護師/心理カウンセラー・宗貞研です。

<3日目②>
キャンプ最後のプログラムは「Talking Stick」です。
「みんなの前に、1本の木が置いてあります。これからはその木を持っている人だけが、好きなだけ、好きなように、今回のワークキャンプに参加した感想を話してもいいのです。木を持っていない人は、その持っている人の話を一心に聞く。それだけがルールです。
もしかしたら“僕は話したくない”という人もいるかもしれない。それでも大丈夫です。でも、必ず1回はその木を持って、しゃべらなくてもいいから心で念じてください。持つだけで十分です。」
静寂が訪れました。誰も話そうとはしないまま、時間が流れていきました。高校生の先陣を切って、1人の女子が立ち上がりました。
「全員(揃って)ではないけど、参加出来て良かった。あれ(震災)以来、初めて会う人もいて、変わった人もいたけど、先生にも会えて中学校のときみたく懐かしくて楽しかったです。今回こうして機会を作ってくれたことも感謝しています、ありがとうございました。」
続いて男子もしっかり立ち上がって語り始めました。
「あれから色々あって、高校に行ってからも色々あって、みんなバラバラではあるけどこうして会えた事がうれしい…だからこれからも気持ちだけは繋がっていきましょう。」
実に1時間をかけて、全ての高校生が前に進んで木を持ち、ちゃんと自分の気持ちを語ってくれました。スタッフや先生からも、自分が直接被災したにも関わらず、その後の忙しさの中でなかなか心の整理ができていなかったことが涙と共に語られました。

ゆっくりと全員の素直な告白を終え、「閉会式」で3日間の全日程を無事終了しました。自然体験スタッフや桑山院長らと別れ、山形県Asahi自然観を離れます。みんなが気持ちをひとつにしたまま、バスに乗り込み地元名取へ帰宅の途につきました。スタッフや桑山院長らが高校生達を乗せたバスを見えなくなるまで見送っていた午後は、今回のサマーキャンプ成功を盛り上げるように日差しがまぶしい真夏の快晴の青空でした。
閖上中学校H22年度卒業生のサマーキャンプ実施レポート<完>
(報告者:NICCO 名取臨時事務所 看護師/心理カウンセラー 宗貞研)