2016年1月16日~3月17日まで横浜駅東口にある三井ビル2Fにある原鉄道模型博物館 で、原信太郎さんが生前の1968年11月に台湾を訪れ、当時珍しかった16mmのカラーフィルム動画で記録したものが公開されています。(全編約60分)

 準戦時体制で撮影規制が厳しく、その当時台湾人による記録がほぼ皆無であった当時果敢に撮影しています。

 非電化当時の台湾縦貫線(台北・嘉義間)では蒸気機関車や最新のDC光華号が瞬足で走っている姿が伺えます。

 さらに阿里山で歯車駆動のシェイ式蒸気機関車があちこちで活躍している姿が撮られています。

 阿里山の奮起湖以遠は三重スパイラルやスイッチバックが連続する世界屈指の山岳区間で、世界遺産になってもおかしくない路線なのですが、台湾の置かれた厳しい国際関係から国際連合から排除された今日、ユネスコ世界遺産にノミネートされることは恐らく難しいと思われます。

 ただ幸いなことに台湾政府がこの鉄道を維持していこうという意志が強いようなので、風水害で運休している方がはるかに長いこの路線も気長に待っているとまた復活すると思います。

 また、旅は台中から脊梁山脈を10時間かけてバスで越えて花蓮まで足を伸ばし、軌間762mmが170kmもある花東線(花蓮・台東)を日帰り往復、さらに花蓮から宜蘭県蘇澳まで撮影規制の厳しい断崖絶壁の道路を通り、また鉄道に乗り台北まで戻るというものです。


最近日本以上に熱心な鉄道迷(マニア)が市民権を得ている感のある台湾では、このフィルムが特に注目されているようです。