豊川稲荷の大きな日記

豊川稲荷の大きな日記

はーい以下同文。

Amebaでブログを始めよう!

街の小道を進む。

ゆっくり進む。

妄想しながら

ゆっくり進む。

矢吹丈のように

口笛を吹きながら

ゆっくり進む。

僕の周りは静まり返っている。

大きく伸びをする。

あくびもする。

平和という2文字。

退屈という2文字。

耳をすます。

何やら騒がしい。

振り返ってみる。

汗だくのイノシシが1匹。

都会のイノシシだ。

そうおばはんだ。

パーマを当てすぎたおばはんが。

汗をかいて走っている。

その瞳をみて僕は悟る。

イノシシの標的は僕だと。

理由がわからない。

でもなぜか逃げている。

イノシシはなぜ僕を追いかける?

凄いはやい。ものすごく速い。

よく見ればシュンソクを履いている。

どおりで速いわけだ。

僕は考えるのをやめた。

無心で走った。

退屈で平和な日々が懐かしい。

おばはんの息づかいが聞こえる。

もうすぐ死ぬのかもしれない。

2時間がたった。

僕はおばはんの存在を忘れていた。

走るのに夢中になり。

おばはんの存在を忘れていた。

恐れ恐れ覗き込む。

おばはんは手を背後に伸ばし、

背筋を伸ばし、

上空50センチを飛んでいる。

速度にヨレヨレのシャツがついてこれず。

上半身に服はない。

スカートのゴムはキツく、ギリギリで耐えている。

おばはんは笑っている。

自信に満ち溢れている。

僕は恐怖で満ちている。

その時だった。

前を走っていたクッパがバナナを投げた。

僕は時速50キロをこえていた。

止まれないし曲がれない。

そして、世界が逆さまになった。

あの平和で退屈な日々から急転したように。

僕は腰を強打した。声が出ない。

おばはんは笑った。

それはそれは笑った。

そして飛び去った。

すぐ見えなくなった。

凄い速い。ものすごい速い。

シュンソクはもう関係ないのに。

あれから3年と2ヶ月。

僕が公園を通ると、そこにいたのはハト。

汚い汗だくのハト。

パーマを当てすぎたハトだ。

僕は笑った。

ものすごい笑った。

僕は心から感じた。

平和が何よりだと。

僕は笑った。

ハトは平和の象徴です。

🐦===3