ビバ!アジアン映画好きな日々

ビバ!アジアン映画好きな日々

好きなアジアン映画(主に香港・台湾映画)をメインに時々邦画洋画をだらだらネタバレ込みでレビューするブログです。
一応キョンシー系サイトを共同で開いています。
興味がありましたらお立ち寄りください。
http://www35.tok2.com/home/kyonsy/

こないだやっとXの凍結も溶け、日々を過ごしている今日この頃。

 

実はブログ以外にもキョンシー関連を纏めている合同サイトがあるんですが、最近は無料サーバー自体が少なくなったのか再開と閉鎖を繰り返している状態なんですな。

 

データ自体は手元に残っているので、サーバーさえあればいつでも復活はできるんですが…

 

という事で、本来は合同サイトに載せる予定だった作品をこちらで紹介。

 

本作はキョンシー映画を思わせる中国映画のホラーとなりますが、どんな作品なのか―

 

 

ストーリー

 

記者のルー・シャオシェン(演:韓棟(ドン・ハン))  は20年前に起きたチャオ家の事件を調べるためにある街へ来た。

 

渡りをつけた初老の男(演:陳國坤(ダニー・チャン))と出会ったルーは男から屋敷に入るなと警告される。

 

20年前、ある男が少女の紙人形に「目」を書き入れた事が発端となり、燃やした少女の紙人形の後から人の焼死体が現れ、以後屋敷に住む者は呪われ、最悪死に至ったという。

 

事件の真相を知りたいルーは警告を振り切り、廃墟となったチャオ家で一晩を過ごす。

 

そんな中、放置されていた紙人形が突如動きだし、飛び出したルーは人形たちに襲われて気を失う。

 

気が付いたルーは初老の男に介抱されていた。

 

尚も男から手を引くよう警告されるが、ルーは事件の発端となった人形師リウ・サン(演:趙剛)について聞き出す。

 

リウは事故で死亡した娘を復活させるために人形師としての掟を破り、人形に目を書き込んだ。

その夜、埋葬されるはずだった娘が蘇り、チャオ家の家人を殺した。

そしてリウは弟子のナン・シャンと共に町を離れたという。

 

ルーは更に情報を得る為、ナン・シャン(演:陳紫函(ジハン・チェン))を尋ねる。

 

ナンは人形師の掟で「生者の紙人形は作らない」「人形に目を書き込まない」があり、それを師匠であるリウが破った事で後悔したと話し、20年前の事件を語り始める。

 

リウはチャオ家の執事からチャオ家の長女ユエンユエン(演:王籽臻)の紙人形の製作を依頼される。

生者の人形は作らないというルールで断るリウだったが、執事は大金を置き、更に脅しをかけて強引に作らせる。

 

人形を作りチャオ家に届けたリウはチャオ家当主チャオ・アン(演:毛凡)とハン道士(演:鐘雷(レイ・ツォン))が行っている儀式を見てしまう。

 

気になったリウはその夜、改めて屋敷に忍び込み儀式の続きを覗き見する。

 

それはユエンユエンを台に縛り付けて生きたまま火を付けるというものだった。

 

凄惨な現場を見てしまったリウは呆然とするが、その夜自宅でユエンユエンの声を聞く。

 

ユエンユエンの霊を見たと翌日チャオ家に向かったリウは執事からそのまま山中へ納棺するからついて来いと言われ同行する。

 

道中、女性の紙人形を連れた気が触れた男の邪魔に遭ったものの、山中へと進んだ一行だったが、途中でリウはユエンユエンの姿を見かけ発狂してその場から逃げ出す。

 

しかし逃げても山から抜け出せず、大量の紙人形に迫られ、少女の人形に目を入れそのまま気を失ってしまう。

 

気が付いたリウは町に戻るとチャオは急死し、ハンも山中で首を吊ったと急報が入る。

恐れをなしたリウはナンを連れて悪霊の影響が出ない遠い土地へと逃げ出した―

 

ナンはここまで語るが、ルーは内容が余りに突飛すぎて疑問を抱く。

 

続けてルーは壁に掛けられていた絵の作者、チェン・ゴシェン(演:張皓然(ハオラン・ジャン))について質問する。

ゴシェンはリウの旧友であり、町では狂人扱いされユエンユエンの葬儀の邪魔をしたのもゴシェンでは?と問う。

 

ゴシェンは元軍人であり、戦地で足を負傷して退役、奇しくも20年前に殺人を犯して捕まり、数年前に他界していた。

 

ナンはゴシェンについて語り始める。

 

ゴシェンは退役した後、シャオリャン(演:魏璐)と結婚式を挙げた。

 

しかしシャオリャンはチャオの妻であり、更に数年前に死亡したとされていたが、そこにいたのは紙人形だった。

 

この事から周りから異常者の如く扱われ、ゴシェン自身足が不自由な事もあり子供達からバカにされていた。

 

そんなある日、リウが現れゴシェンを慰めるが紙人形に思い入れる姿を見てあるまじないを伝える。

それが成功すれば魂が復活してシャオリャンが復活するという内容だった。

 

その夜、ゴシェンはまじないを何度も行い諦めかけたその時、シャオリャンの人形が微笑んだ。

まじないが成功し、過去を思い返すゴシェン。

かつてゴシェンとシャオリャンは教師と生徒という間柄で相思相愛だったが、チャオがシャオリャンを強奪し、裏取引でゴシェンを強制的に徴兵し戦地へと飛ばしてしまった過去があった。

 

しばらくしてシャオリャンを車いすに乗せ外に出かけたゴシェンはユエンユエンの葬儀に出くわし、復讐心から葬儀の一行を妨害するも取り押さえられる。

 

その晩、納棺の儀式を行っていたハンの元に現れハンを刺殺、近くの木につるし上げたのだった。

 

ここまでの話はある程度ルーも知っていた話で、ナンは何故知っていることを聞いたのか訝しむ。

 

ルーはここまでの話で二つの視点から葬儀について触れているとして、ナンは事件で死亡したとされるユエンユエンではないかと指摘。

ルーの指摘は当たっており、ナンは死亡したとされるユエンユエンだった。

 

ナンはかつてのチャオ家の内情と自身にトンという弟がいた事を話し始める。

 

果たして20年前の事件の真実とは―

 

 

本作は2023年の中国映画で原題は「纸人回魂」という作品。

日本のサイトではキョンシーホラーと書かれているけど、キョンシーは出てこない。

ここら辺は最近の霊幻道士Qから続く一連のシリーズと同じ。

 

なんだったら劇中で出て来た襲い来る紙人形も想像の産物だったりする。

基本的には20年前の事件を別々の視点からまとめていき最後に真相へ到達する怪奇サスペンスといったところか。

 

内容そのものは悪く言えば同じ内容の繰り返しではあるんだが、視点を変えた上で最初は怪奇ホラーから徐々に事件の真相解明にシフトしていくので思った以上に中だるみは無い。

 

物語終盤ではリウとゴシェンが知恵を出しながらユエンユエンとトンを助け出そうとして動き回り、全てが終わった後はゴシェンが罪をかぶって更に追及が及ばないように一連の事件を悪霊の仕業と噂を立てるという内容。

 

①20年前に起こった紙人形事件から屋敷に関わったものは最悪呪い殺されるという噂

②リウ視点で人形師の掟を破った為に呪われて関わった人間が死んでいく様を見て逃走した話

③ゴシェン視点で紙人形の妻を持ち、ハンに復讐する奇妙な話

④ユエンユエン視点で②~③で起こった不可解な怪奇事件の真相を語った話

 

そして最後にルーがトン視点でのある想像をナンに伝え、取材を終えたルーは町を去ろうとする。

 

まぁここまで書けばおおよその想像は付くだろうけどラストは予定調和な終わり方で〆。

 

とは言え、結構引き込まれる一方で、所々強引な展開もあったりする。

 

チャオがシャオリャンを強奪する行を入れたのは良いが、結果的にトンの存在が浮いてくるんだよな。

相手を蹴落としても手に入れたい女性を強奪しておきながら、生まれたのが女の子だったからなのか家を存続させる為だからなのかユエンユエンを生贄にする行は結果ありきで後から考えたのか?と思えるくらいにはちと不自然だった印象。

 

執事とハンの悪だくみもよくある話なんだが、よくある話過ぎてちと話をすっ飛ばし過ぎ。

ハンの悪知恵で執事が旨い汁を吸ってるような会話があるが具体的な描写が一つも無いので今一何をやっているのか想像ができない。

例えば執事が定期的にハンを使って町人にまじないをかけてお布施を荒稼ぎしている、とかあれば想像しやすかったんだけど。

 

 

後は今回渋い役回りで登場する陳國坤演じる老人。

 

正体はトンを引き取った当時の警察隊長で事前にリウから事のあらましを書いた手紙を受け取っていて、トンが成長したら本人の裁量で伝えても良いと書いていて冒頭に繋がるんだが、流石に回りくどすぎるだろ。

結果的にナンに押し付けてるとも取れるし何しに出て来たんだこの人。

 

と、やや粗が目立ちはするけれども冒頭の怪奇ホラーからの終盤への物語の変化は割と面白い。

キョンシーホラーやアクティブな悪霊退治系の作品ではないのでそれ目当てだと詰むが、ちょっと読書代わりに静かに映画を観たいときには良い作品かなと思います。