タルトというと、タルト台があって、具であるクリーム部分があって、上にトッピングが乗っている、というようなイメージがありますが、実は、ものによってはタルト台と呼ばれるものがない場合もあります。
 私が主宰している教室でつくっているマンゴーのタルトでいえば、タルト台をつくって、アーモンドクリームを流し込んで焼いて、それを土台にクリームをのせて、最後にフルーツを乗せるような作り方をします。こういうものは、タルト台のあるタイプのものですね。
 りんごのタルトの場合、土台がないんです。タルト生地の中にりんごをカラメルで煮詰めたものを入れて、その上に生のりんごをたっぷり飾って一度に焼く、というかたちをとっています。別焼きしておく土台が必要ないんです。生地とフィリングを生の状態で一緒に焼いた方が一体感がでますね。
 また、同じタルトでも、使うフルーツによってもだいぶ違いますね。
春先は、いちごやブルーベリー、フランボワーズなどのベリー類、ピンクのグレープフルーツなど、夏になると、プラムや桃、トロピカルフルーツ、いちじく、秋には、女性が大好な栗ですね。桃や栗のタルトは女性の方に大人気。教室のメニューに載せると、その回から参加者が増えちゃうくらい!他にもサツマイモやカボチャ、冬になると、お菓子づくりにはかかせない、甘みと酸味をしっかりもった紅玉というりんごのタルトが大人気。
フルーツのものが多いこともあって、タルトは季節を感じやすいスイーツです。
 素材の特性をいかしつつ、焼き方焼き加減にも工夫のいるタルトは、お菓子づくりを語る上でかかせないものといえますね