こんにちは、きょんです。
いつもお読みいただきありがとうございます。
先日、読んだ本の振り返りです。
読んだ本は「ケーキの切れない非行少年たち」(宮口幸治著)です。
ベストセラーで漫画化、NHKドキュメンタリーでドラマ化もされているそうなので
知っている方も多いと思います。
この本には、児童精神科医の宮口幸治さんが、
多くの非行少年たちと出会う中で
「反省以前の子ども」がたくさんいることに気づき、
そもそも認知力が弱く「ケーキを等分に切ることもできない非行少年がいる」ということが書いてあります。
反省以前ってなに?
と思いますが、悪いことをしても
それがなぜ悪いかが分からない、
自分の行動の善し悪しが分からない、ということで
反省することすらできないという意味です。
そして、それらは普通の小学校でも起こっていることで
そのためにどうしたらいいかというトレーニング方法も提示してある本です。
世の中で起きる犯罪で
「なぜそんなことするの?」ということを思うことありませんか?
私はあるんですが、普通そこまで恨まないだろう、とか
殺人しても解決しないことくらい分かるだろうとか。
思いますよね?
日頃から青少年犯罪の心理の分からなさに興味があります。
自分の子供と同じ年齢くらいの青少年が、窃盗、殺人、詐欺などの
犯行をする事件。心がざわつきます。
宮口さんが対応していた子供は
少年院にいる子供達なので犯罪を犯した子たち。
多くは認知の歪みがあるということなのですが、
読んでいると
「これ、私も同じじゃない?」なんて思いました。
もしかしたら、普通だと思ってる自分も当てはまるかもしれない。
認知の歪み。
例えば、少年たちが事件を起こす時のきっかけは、
最初は通りすがりの人が
「にらんで来た」「自分の陰口を言っていた」「自分よりA君のことばかり優先していた」というような些細なこと。それがきっかけで暴行事件をおこしたりする。
しかし、当事者同士の話を聞くと、
相手はにらんでなく、陰口も言ったことがなく、
他の人ばかり優先していたこともなかったりする。
つまり、少年たちが勝手に“にらまれた”、
“陰口を言われた”などと思い込んで
暴行をおこしに行っていることが多いそうです。
つまり、相手は意図していないことを、
こちらが勝手に「あいつは俺のことをバカにしているんじゃないか」
「あいつは俺の悪口を言ったんじゃないか」などど
思い込んでしまうことがある。認知のずれが発生。
そこから、普通は暴行事件を起こすところまでいかないのですが、この本で出てくるのはそんな相手を暴行したり、殺人、窃盗する青少年なのです。
イライラして、カッとして、その後のことが考えられなくなる。
わたしもSNS投稿をしたあとに
「こんな内容投稿したら、自慢してるみたいに思われないか?」とか
「あの人がLINEの返信くれないのは、私を嫌がってるからじゃないか?」とか思います。
勝手に相手のネガティブ反応を想定して
ムカついたり、落ち着かなくなったりしています。
相手がどう思っているかはわからないのに。
これも認知のズレ?といえるのでしょうか。
今回の本では、この認知のズレを正しくする
コグトレというトレーニングも紹介されていました。
鉛筆を持って、点と点をつなぐ、図形を書くといった内容から始めるとあったので
結局は知育学習が大事なんですねぇ。
それは、親や先生など周りの大人が与えないとできなそうですね。
非行少年たちの更生は出口が見えない仕事で、著者の献身的な姿は
目を見張るものがあります。
親のわたしも、気長に子供を信じて見守っていきたいと思いました。



