～③～Le ciel nocturne d'Arras et ce que signifie aimer ～アラスの夜空と愛すると言う事～

続きの③になります。

視察に行けよ！って思います(笑)

まあ、視察という名目の新婚旅行だから…。

取り敢えず、今回のシリーズはこれで終わります。

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ケンカは犬も食わぬ。

いや、雪降って地固まる。か。

オスカルとアンドレがささやかな喧嘩をした、

その夜

アラスの夜空は澄み渡り、

冬の星座がきらきらと瞬いていた。

「アンドレ、アンドレ！」

「ちょ…と、待って」

バルコニーで、冬の星座を見る為に

二人は、しっかり着込んで外へ出た。

冬の星座が、満天の星空の中、きらきらと瞬いていた。

この屋敷は、アラス中心地より、郊外のせいか

星明かりだけでも、足元が明るく感じる位だ。

「綺麗…」

オスカルは、アンドレの腰に手を回し、楽しそうに空を見上げている。

アンドレは、オスカルの肩を抱いて、オリオン座を見ていた。

女神アルテミスが、誤って放った矢に貫かれて、愛するオリオンは死んだ。

嘆き悲しんだアルテミスは、神々に願い、オリオンを天空に捧げ、オリオン座は生まれた。

「これも、究極の愛の形だな…」

大きなオリオン座を見上げ、アンドレは白い息を吐きながら呟いた。

「アンドレ」

隣にいるオスカルが夫を見上げていた。

「ん？……ああ、なに？」

オスカルも、はあーっと白い息を吐きながら、囁く。

そして、アンドレのコートのポケットに手を入れた。

アンドレも手を入れ、二人の手が繋がれる。

「私は、誰かに唆(そそのか)されても、矢を放ったりしない。私はどんなに遠く離れていても、其所にいるのがお前だと判るから」

「どうして？」

愛してるから、と紅い唇から言わせたい。

「女の勘だ」

答えは違っていた。

だが、アンドレは嬉しかった。

「俺は…幸せだよ。今が一番。ずっと小さな頃から、お前と共に生きてきて、お前をずっと好きだった。……愛していた。だからずっと苦しかった」

毒ワインで心中を図ろうとした事か？

フェルゼンに嫉妬して、私を押し倒し、ブラウスを引き裂いた、あの事か？

どれがアンドレを苦しめていたんだ？

いや。

全てだ。

私が気づかなかった事、全て。

そして、私も知らない所で、アンドレはずっと私を想い、苦しみながらも

大切に、優しく

時におどけて、

私だけの苦しみを、分かちあってくれていた。

それすら

きっとアンドレは苦しかっただろう…。

近すぎて、大切過ぎて、

気づけなかったのは私だ。

私の鈍感さだ。

オスカルは、そう心で呟きながら、ずっとずっと

アンドレを見つめている。

「アンドレ…」

「ん？」

「時間は戻せない。だけど、これだけは私の心からの真実だ」

「……」

「私はこれからもお前と共に生きていく。永遠に……。いや、そうではないな…」

オスカルは少し笑うと続けた。

「二人の命が今生から消えて、私たちの肉体が滅んだとしても…」

アンドレはオスカルの声に言葉を被せた。

「「来世でも必ず、二人は出逢い、また愛し合う」」

二重奏の音色のように聞こえて、二人は笑いながら口づけを交わした。

途端

空に無数の流星が流れていった。

「アンドレ、願い事しよう」

「いや、これって…未来の約束が叶う印じゃないのか？」

既に夜空から消え去った流星。

神々が、この広い大地の片隅で天空を見上げる一組の夫婦に、約束の矢を見せた。

「オスカル。もう部屋に戻ろう。風邪を引く」

「うん…」

「明日は帰る日だから、今夜はゆっくり楽しもう」

アンドレが妻の顔を覗き込む。

真っ赤になっている美しい妻の顔を。

ポケットから二人は手を出し、互いの腰を抱きながら、ベランダを後にした。

部屋はとても暖かかった。

その時。

遠くから、鐘の音が始まった。

新しい年が来た知らせ。

アンドレは、毛布にくるまっていたオスカルの布を取り去り、自分もコートを脱いで、互いの身体を近く近く寄せ会った。

トクン…トクン…

お互いの心臓の音が次第に重なってゆく。

オスカルは、潤んだ瞳でアンドレを見上げ、口づけをせがんだ。

待たせはしない。

軽く妻の鼻先に優しくキスをすると、おもむろにオスカルの形よい唇に、唇を重ね、吸い付いた。

絡まる舌がもうひとつの生き物のようにうごめく。

オスカルはそれだけで、身体が痺れて、感覚が足から消えそうになり、アンドレにすがらないと滑り落ちそうで、黒髪に腕を絡ませた。

ひとしきり、甘い、濃密で、官能的な口づけを交わした後、アンドレが言う。

「Novus annus…」

オスカルも口を開いた。

「Novus annus………ラテン語の響きもいいな…年またぎの口づけにはならなかったけど」

「今からだよ。新年の二人の挨拶は」

アンドレは軽くオスカルを抱き上げ、寝台に下ろした。

Novus annus。

ラテン語で、新年おめでとう。

互いの身体をまさぐるように愛し合う。

この素肌も脱ぎ捨てて

二人がとろけて、ひとつになれば

どれだけ気持ちがいいだろう。

互いの汗で

シーツが少しずつ湿り出すのも構わず、

アンドレは、

女神のような、少女のような柔らかなオスカルの裸体のそこここに、ラインを描く様に指を這わせ、彼女のよがる部分を見つけては、其所を攻める。

女の、悦び喘ぐ声と、次第にピンクに染まる裸体にたまらなくなり、

自身の固くなったそれを、悦び濡れる妻の秘部にゆっくりと優しく埋め込む。

オスカルは、官能的な美しい声で、それを受け入れ、悦び、腰をよがらせ、アンドレを締め付けたり、刺激を無意識に与え、

早く…早く…

と、促しているかのように、彼のそれも私の一部だと主張するかの如く、奥へ、もっと奥へ…

と、飲み込もうと震わせた。

「オスカル…キツい…」

思わずアンドレが興奮しながら、囁く。

否、囁きではない。

獣の呻きだ。

オスカルは自分の目頭に、涙が流れているのを知った。

ああ、ひとつになっている。

ずっとこうしていたい。

あなたと…。

オスカルは、下肢の金色の茂みの奥で、根元まで咥え込んだ姿を見下ろし

アンドレにささやいた。

「アンドレ……、お願い……もう…きて…」

その声色が聞こえるや否や

繋がられたそこが激しい律動を始め…

二人の重なる音が強く奏でられ。

オスカルの中に放たれた後、アンドレはオスカルの上に崩れ落ちた。

それを優しく受け止め、汗まみれの広い背中を抱きしめるオスカル。

その後は、二人はうわごとのように互いの名を、飽きるほど囁き合った。

翌朝。

雪は殆ど溶けていた。

管理人の夫婦に、礼を伝え

アンドレは馬車の手綱を捌き、雪の轍に気をつけてながら、

「オスカル。出るぞ。時々ぬかるみがあるから、揺れる。気をつけて」

と、馬車の中にいるオスカルに声を掛けた。

「私は大丈夫だ。お前こそ、気をつけて」

「ああ。…あ、そうだ。帰りにあの店に寄らないとな。ドレスが出来てると思うよ」

オスカルは、パッと顔が明るくなった。

「忘れてた！アンドレ、何着買ってくれたんだ？」

「あと4着。マダムがお前をイメージして、帰りには間に合うように早急に作ってくれてるよ」

「じゃあ帰宅したら、ギリシャ神話の仮装パーティーだな、アンドレ」

「ばーか。仮装パーティーはお前だけだ。俺はオーダーしていない」

(どうだろうな…)

オスカルはニヤニヤしているが、馬車を引いているアンドレには見えていない。

「でも、楽しみにしてるよ。お前のドレス」

「そうか？」

「ああ。きっと旦那様や奥様も喜んで下さるに違いない。あ、うちのおばあちゃんも」

「あはは。そうだな。ばあやが一番喜んでくれそうだ。私がドレスを身に纏うのをな」

今日は、天気がいい。

澄んだ青い空に雲ひとつない。

真冬とは思えない位だ。

午後、あの店のある小さな町に着いた。

馬車を止め、店の前に立つと

「aujourd'hui est la date de réservation」

(本日はご予約日)

と、書かれた紙が貼られていた。

アンドレが、

休み…じゃないよな？

と、扉をノックすると、暫くして店のマダムが現れた。

「ごきげんよう。アラスからのお帰りをお待ちしておりましたわ」

にこやかに二人を店内に招き入れた。

「ごきげんよう。マダム。先日はお世話になりました。…しかし、これは素晴らしい。先日より、ドレスの数が多いですね」

オスカルは、驚いた顔で店内を見渡した。

「そうでございましょう？手前のトルソー4体が着ているドレスが、オスカル様のドレスになりますわ」

4体全てがデザイン違い。

最高級のシルクリネン生地に、1部細かい刺繍を施していて、長袖や、七分袖、袖のないデコルテが美しく見えるタイプや、胸から下がふんわりとドレープの広がりを見せる、どれも美しく、まさしく

ギリシャ神話に出てきそうなデザイン。

あと、それに似合うようなウエストのシルクリボンも、2本。

「如何でしょうか？」

「気に入りました、マダム。いつも窮屈な服ばかり着ているので…少し恥ずかしいですが、夫が喜んでくれそうです」

「俺は喜んでるよ。お前に似合うと思う」

「そうか…。ありがとう、アンドレ」

あ、とオスカルがマダムに目配せした。

「はい。畏まりました」

マダムは、奥へと消えていく。

「？…どうした？オスカル」

「マダムが出てきたらわかるよ」

暫くして、マダムは、大人用の白い衣装箱2つと、小さな紅い箱を3つ、お針子の娘たちとで持ってきた。

「オスカル、これは？」

その問いにマダムが微笑む。

「奥様からのリクエストですわ。旦那様にも、ギリシャ神話の仮装をして欲しいと」

「俺が！？…オスカル！？」

オスカルは、手を口にあてて、ククッと笑うと

「二人でこれを着て、肖像画を描いてもらうんだ」

アンドレは頭を抱えた。

「アンドレ、私は真剣だぞ」

「はいはい。判りました。付き合います。奥様」

「よろしい」

マダムは二人の掛け合いを微笑ましく見つめると

「旦那様のは、2着お作り致しました。それと…」

紅い小さな箱を開ける。

「未来のお子様に」

マダムは寝る間も惜しんで、フリルたっぷりのおくるみを３種類作らせて頂きました。と幸せそうな顔で笑った。

オスカルがおくるみを箱から出す。

ふわりと、ふんだんにあしらわれたフリルとレースが揺れた。

「可愛い…。アンドレ、ほら見て」

「ああ、ベビーのおくるみって、こんなに可愛いんだな」

「きっといつか、必要になる。３枚では足りないな。マダム、またいつか本当にベビーが生まれたら、また注文させて頂きます。たくさん作って頂いて、ありがとう」

「こちらこそ。楽しく作らせて頂きましたわ。またお知らせくださいませね」

マダムは、店の住所と店名、自身の名前を書いた紙を渡した。

「アンナ・ベルタン…」

オスカルは、聞き覚えのあるベルタンと言う名を口にして、思い出した。

「もしかして…アントワネット王妃様の…」

「ローズ・ベルタンでしょうか？おほほ…私の妹ですわ」

ローズ・ベルタン

（1747年～1813年）

マリー=アントワネットから、絶大な信用と寵愛を得たローズは、一介の帽子商に過ぎなかった彼女の才能を見込んで、顔パスでベルサイユ宮殿に出入りさせていた。

「フランスのモード大臣」と呼ばれ

後に「ファッションデザイナーの祖」と言われた。

「妹は、ベルサイユに出入りしておりますが、私はどろどろした人間関係は大嫌いですの。でも、たまに、妹経由で貴族の方々から、芝居の衣装としてギリシャ神話の仮装ドレスなどのオーダーを受けておりますわ」

「どうりで…。遠目からギリシャ神話の衣装を着られたご婦人たちを拝見した事があります」

「あら、それは嬉しいわ。でも奥様、奥様のドレスは、今までで一番美しく、作らせて頂きました」

「ありがとう」

沢山の荷物を、馬車の中に入れたアンドレは、

「出発するぞ」

と、オスカルに促した。

「マダム。この度は本当にありがとう。私の新婚旅行だったんだ。夫に私のドレスを見せたくて、色々厄介な注文を引き受けて頂き、感謝申し上げる」

そういうと、マダムはオスカルの耳元に口を近づけた。

「オスカル様…と、申されましたね。わたくし、近衛隊におられた貴女様を一度拝見させて頂いております」

「……え？」

「あの時は、とても美しいブロンドをなびかせた、少年がこの世の中に本当にいるんだわ、とドキドキ致しました。ああ、王妃様が婚礼をされた時ですわ。ベルサイユまで見に行きました」

「そうでしたか…」

「まさか、女性だったとは知らず。申し訳ございません」

「いえ。今でも普段から男の格好をしています。

まあ、それも結婚していずれはあまりしなくなるでしょうが」

「恋は、いずれ終わります。女は愛される為に生まれてくるのですわ。愛は本当に永遠ですのよ。旦那様が貴女様を愛し、男装のご令嬢から、本当の女に生まれ変われた。旦那様は、素晴らしい殿方ですわ」

女は愛される為に生まれた…

本当にそうだなとオスカルは感じている。

「ありがとう、マダム。では帰らないといけないので、ここで失礼します」

「お気をつけて。そして、お幸せに。オスカル様、旦那に沢山甘えてくださいませね。ベビーはすぐにやって来られるでしょう」

「ありがとう」

マダムは、最後に

オスカル様がご結婚された事は、口外致しませんので、ご安心下さいませ。

と頭を下げた。

オスカルを乗せた馬車は、この町を離れて行った。

ベルサイユのジャルジェ邸宅に帰宅したのは、深夜になっていた。

執事が迎え、「旦那様、奥様は本日、ベルサイユの御用向きでお帰りは明日夕刻になります」

とだけ言い、馬車の荷物は明日朝、お部屋にお持ち致します。と一礼し、奥様からのお手紙を預かっておりますので、と封筒をオスカルに渡すと

執務室に戻って行った。

二人の事を知る以上、余計な事は一切言わなかった。

「オスカル、部屋に行ってて。マダムからの荷物だけは、今から持って上がるから」

と、馬を厩戸に連れて行った。

母上からの手紙…。

なんだろう。

部屋に入ると、暖炉も暖かく、

母上からのプレゼントなのか、あちこちに母上が育てた薔薇が花瓶に飾られ、まるで薔薇の温室にいるようだった。

オスカルは、ナイフで封筒を切り、手紙を読んだ。

わが愛しい娘

オスカル・フランソワへ

アラスからの長旅、疲れませんでしたか？

アンドレとは仲良く旅が出来て、思い出が作れた事と思います。

貴女がアラスに滞在中に、お父様とわたくしは、国王陛下様、王妃様と謁見し、オスカルとアンドレの結婚の許しを頂きました。一番お喜び下さったのは王妃様でした。

オスカルが愛する人と幸せになるのなら、同じ女性として、こんなに嬉しい事はない。と。

そして、それに伴い、退役する事もお認め頂きました。

今後、二人の間で、生まれてくるだろう子の為に。

また、旦那様が管理をされておられた、亡き親族のエドゥアール伯爵家の復活、再興もお許しがあり、アンドレは、エドゥアール家の当主となった後に、ジャルジェ家の婿になる手筈も整えました。

ばあやは、自身の伯爵の称号を辞退し、メイドとして、このまま働きたいと言いましたが、そろそろゆっくり休んで欲しいのがわたくしの本音です。

ああ、長くペンを走らせてしまいました。

お話は帰ってから、致しましょう。

愛しい娘オスカルへ

そして、オスカルを愛して、花嫁にして頂いた

エドゥアール伯爵家当主アンドレへ

母より

オスカルの手が震えている。

涙で、もう母上の文字が見えない。

このような深い愛情を、これからどうやって返して行こう。

そう思うと、嗚咽が止まらなかった。

「オスカル、あの荷物は取り敢えず部屋に置いたぞ……どうした？オスカル」

涙をポロポロと流しながら、寝台に座っていたオスカルは顔を上げ、母上からの手紙をアンドレに渡した。

「これ…」

読んだ後、オスカルを見た。

オスカルは、アンドレの胸に飛び込み、泣いた。

何故、涙が出てしまうのか、判らなかった。

長年、勤めていた軍人を退役するからか？

いや、もう未練はない。

国王陛下が二人の結婚をお認め下さったからか？

アンドレが、伯爵となり、ジャルジェ家に婿入り出来たからか？

「オスカル…大丈夫か？」

アンドレは、優しく受け止め、背中をさすってくれている。

違う。そんなのは後付けだ。

両親からの深い愛情が、心から嬉しかった。

皆が、愛するアンドレと夫婦になる事を祝福して下さった。

それが、嬉しかった。

だから、涙が止まらない。

「アンドレ…」

「うん」

「私達は、沢山の人に祝福されている。秘めていた私達の愛情を、見下しもされず、本当に、祝福されている。それが嬉しい…」

「ああ、そうだな。本当だ」

アンドレも、涙が溢れていた。

「私達は、出逢う為に生まれてきた」

オスカルは夫に口づけた。

「うん。そして、今生も、来世も一緒だ。約束する」

アンドレが、優しく笑い、オスカルに口づけを返す。

「この幸せを、どうお返しすればいい？アンドレ」

「…お前は、お前のままでいいし。俺はお前の為にいっそう努力するよ」

もう一度、口づけを交わし、アンドレは彼女の涙を吸いとって、笑った。

オスカルの頭をポンポンと撫でると

「さあ。マダム。全ては明日からだよ。もう寝よう。俺は、ずっと一緒にいるから。お前はまだ休暇明けに退役の為にやらなきゃならない事がある。休暇のうちに疲れを取って、ゆっくり休んで」

オスカルを着替えさせ、寝台に寝かせ、

蝋燭の明かりを部屋の半分以上消して、アンドレも着替えて、隣に横たわり、オスカルを抱きしめた。

まだ涙は流れている彼女。

アンドレは子供をあやすように背中を撫で、

おやすみ。

可愛いオスカル。

明日からも、俺はお前のそばにずっといるから。

何度も囁いていると、

オスカルは、静かに寝息を立て始めた。

部屋は薔薇の香りが匂い立つ

奥様の計らいだ。

ふと、窓を見ると、雪が降り始めていた。

まるで天使が空から祝福をしているように見えた。

そして、窓際に沢山の箱。豪華なリボン。

プレゼントかな…

明日、オスカルが起きたら一緒に見よう。

寝息を立てているオスカルを、撫でながら、

アンドレは華奢なオスカルの身体を自分に寄せて、静かに目を閉じた。

今宵の雪は、不思議にキラキラと美しく輝きを放つ雪だった。

と、翌朝、ベルサイユで話題になったのは

言うまでもない。

その３ヶ月後。

オスカルの身体に、新たな生命が宿った。

fin

このシリーズは、これで

おしまい♡