9月18日にテレ玉で再放送。
1980年代の仕事人ブームのときも再放送で見た。
夏純子がお弓と田舎屋お艶の2役。
今見ると、お弓とお艶が同時に映っているように見える場面での画像合成と吹き替えの編集が見事。
 
捨三の幼馴染だったお弓が父親の病気で女郎となった。
お弓とそっくりのお艶は盗賊の頭で、捕り方に追われたところ、お弓のいた女郎屋に逃げ込みお弓とすり替わった。
 
お弓はお艶として捕縛され、泣きながら「私はお艶じゃありません、お弓です」と叫び続けていた。
捨三の依頼で主水、やいとや、剣之介、お歌が協力し、牢屋の中でお弓とお艶をもう一度すり替えた。
 
最後にお艶を斬首した役人の名前は「塚本」のような名で、「山田(朝右衛門)」ではなかった。
 
非常に危なかったが、主水が奉行所にかけあって「本物のお艶を捕まえた」と申告する手はなかったのだろうか。
 
小伝馬町の牢屋式の表札には
とある。
 
必殺シリーズ通算200回記念で、過去のシリーズの出演者がチョイ役で出ている。
必殺スタッフお得意の別撮り編集を多用していると思われる。
 
お弓が歩いているとき、水をかけてしまった女が中村玉緒。
お艶が手引きして盗賊に入られた商家の前を通るアサリ・シジミ賣りが沖雅也。
 
約30年前の仕事人ブームのときの再放送では気づいたのは沖雅也と中村玉緒だけだった。『仕業人』の前に『仕置屋』の再放送を見ていたからだ。今回はもっとはっきりわかった。
 
内職の傘の束を持ったせんとりつが千勢と一緒に歩いていたとき、身分のよさそうな女性(演:草笛光子)が犬を連れてすれ違った。そこでは『仕事屋』のテーマ曲「さすらいの唄」のメロディも一部流れていた。『仕業人』最終回で裏稼業が「商売人」と呼ばれたのも何かの縁か。
 
銀次(演:鶴田忍)が牢屋で掃除をしている場面で、ほっかむりの男(演:田村高廣)が紙くずをみて「不景気だとろくな物がない」と言っていた。
お艶が捕り方に追われる直前、おでん屋にいたが、そのおでん屋の男を中谷一郎が演じており、『助け人』の主題歌「望郷の旅」の前奏も流れた。自分が『助け人』の音楽を聞いたのはこの話が最初で、次に『助け人』の再放送で確認した。
 
次に捨三がお艶を見つけ、剣之介がお艶の仲間の男2名を仕留め、又右衛門がお艶を針で眠らせた。この直前、お艶が針医者(演:緒形拳)に針(鍼)を打ってもらっていて、「荒野の果てに」のメロディが一部流れていた。自分の記憶では「荒野の果てに」を最初に聞いたのは1980年代の仕事人ブームのときの『仕業人』第26話の再放送だったと思う。その後、『必殺仕舞人』でこの曲を聞き、『新からくり人』で必殺シリーズの音楽だと認識し、『仕掛人』の再放送でこの番組の主題歌だとわかった(『仕掛人』エンディングでは最初、「荒野の果てに」はメロディだけで、途中から歌になった)。なお、自分は緒形拳主演『仕掛人』再放送の前に小林桂樹主演の『仕掛人・藤枝梅安』を見ていた。梅安と必殺の関係がわかったのは『仕掛人』の再放送を見てからであった。
 
最後にお艶を診察した医者を演じたのは石坂浩二であった。
なお、『仕業人』の時代設定が1840年代初めの天保末期とすると、糸井貢の師匠・高野長英は当時、投獄されていたはずである。
 
ところで、自分が『必殺必中仕事屋稼業』というシリーズを知ったのは『仕事人大集合』であった。必殺で緒形拳と藤田まことと沖雅也が同一の作品に出たのはこの『仕業人』の「替玉をどう思う」と『大集合』だけであろう。
 
ここで『仕業人』第26話「替玉をどう思う」の出演者の組み合わせを見ると、中村玉緒と沖雅也と藤田まことと渡辺篤史で『仕置屋』再結成が実現しており、田村高廣と中谷一郎はもちろん『助け人』で、藤田まこととは「同心大疑惑」以来の「共演」。草笛光子と緒形拳で『仕事屋』再結成である。
 
一方、『大集合』では草笛光子に代わって山田五十鈴が出演したので、山田五十鈴と緒形拳と森田健作で『からくり人』再結成であり、山田五十鈴と沖雅也は『富嶽百景』以来である。緒形拳と沖雅也と三田村邦彦の共演は、刃物や針を使う仕掛人、仕置人(仕置屋)、仕事人の系譜を考えると興味深い。