神の名【事項】 

月探査機の名は月の女神の名が多い。中国で「嫦娥」Chang'eが採用されている。
中国では固有名詞でも翻譯し、国外の月探査機は月の女神の名前であれば、すべて「月亮女神」yueliang nv-
shen のように翻譯される場合が多い。
開發区を含めた大連で、一時、クラブの名前で MOON と LUNA が同時に存在し、シナ語でどちらも「月亮」になってしまう現象があった。

 

日本語の「カミ」は自然のあらゆるものに宿るもので、アイヌ民族の Kamuy も同様。
シナ語の「神」shen は、本来「精神」jingshen などの意味で、「失神」もこれから来ている。
日本の自然崇拝の中心が神道であり、その中心に天皇がいるから象徴である。だから某元首相が言った「日本は天皇を中心とするカミの国」という表現は正しく、何ら問題はない。

 

日本にキリスト教が傳来したとき、一神教の God の概念が理解されにくかったらしい。
そこで、布教する側がデウス(Deus)を「大日」として、大日如来のようなものだと説明したが、これではふさわしくないとして、結局、「デウス」をそのまま用いることにしたらしい。
もっとも、ギリシャ・ローマは多神教の世界で、ヤマトやアイヌに似ている。

 

日本の戦国時代と安土・桃山時代から江戸時代初期にかけての時期は、西洋の宗教革命、そして地球中心説と太陽中心説の対立(宗教改革のマルティン・ルターはコペルニクスを批判していた)、大航海時代の最中であった。

 

現代中国で「基督教」Jidujiao は狭義でプロテスタントであり、カトリックは「天主教」Tianzhujiao になるらしい。

 

神話に月の女神を設けているのは万国共通のように見える。
日本で天照大神(あまてらすおほみかみ)のように太陽の神を女神にしているのは珍しいのではなかろうか。
天の岩戸は日食(日蝕)の説明であろう。

 

堺正章が孫悟空を、夏目雅子が玄奘を演じた日テレ版『西遊記』では月の女神・姮娥が天帝の妻になる人で、天帝の母親が西王母である。この作品でも日食が出てきた。
続編の『西遊記II』で「太陽をつかさどっているのは大日如来様」という台詞が出てくる。

 

大日如来は梵語で Mahā-Vairocana である。
└→孫悟空とハヌマーン

 

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2009年7/22