上から急角度で落ちてくるもの
 『侍ジャイアンツ』、番場蛮の「ハイ・ジャンプ魔球」(72年、または73年)はマウンド上で跳躍して上空から投げ下ろすもの。ボール自体はストレートで、解説者は最初、「ハイ・ジャンプ投法」と呼んだ。
 ボールがストライクゾーンの上をかすめる場合、打者には打ちにくい。『ドカベン』の悪球打ち・岩鬼や秘打男・殿馬なら打てるか。殿馬の場合、バットの先で打つ「秘打・黒田節」があり、上から来る球も打てるだろう。
 柳田理科雄によるとマウンドに立って上に投げ上げるほうが効果的らしい。それをやったのが『大甲子園』での犬飼知三郎の「マウンテンボール」と、『ドカベン・プロ野球編』(九四年~)で近鉄の坂田三吉が使った「通天閣投法」。

 

 

 ジャンプする投げ方は『ドカベン・スーパースターズ編』で殿馬が使用(2007年)。ジャンプ投法はバントされた場合、投手守備が弱い難点がある。アニメ版『侍ジャイアンツ』でヤクルトの眉月は寺で石段の上から斜めに飛んでくる矢を階段の下で待ち構え、バットで矢を打つ特訓をした。慣れないアッパースイングで身体を痛めた。ジャックスが縱分身攻略に使ったような逆手打法を使えばよかったか。

アッパースイング、逆手打法

 

 

 

 眉月の特訓は巨人×ヤクルトの試合当日まで続き、眉月は試合の前半に出場できず、終了間際に球場に駆けつけ、その試合では代打で一打席のみ、対戦。眉月は矢を打った打法で身体を壊し、ヒットにならず、最後は番場の着地後の投手守備の隙を狙ってバント。それまでヤクルト打線がこの作戦に気づかなかったのが不思議。微妙な当たりだったが、眉月は1塁まで走れず、八幡が送球してアウト。初めから普通のコンディションで三回打席に立っていれば、打倒できた。何のために矢を打つ特訓だったのか。

 

 

 

 中日の大砲万作は片膝をついたバントの構えで、ボールが当たってから腕力でスタンドまで弾き飛ばす打法で攻略。打球は投直となり、ハイ・ジャンプから着地直後の番場の足元を直撃。
 番場は空中で身体をそらせて反動をつけ、球を速くする「えび投げハイ・ジャンプ」に改良。大砲はこれを打とうとして片腕を骨折。最終的にウルフ・チーフが「ハイ・ジャンプ打法」で攻略。

 

 

 

 排球界では70年ごろ、『アタックNo.1』の鮎原こずえが「竜巻落とし」(または「~おとし」)として使い、最終的に対ソ連戦で分身魔球に發展。

 

 

 

 
関連語句


参照
スポーツ全般、梶原vs水島他(2008年9月14日~15日)
2008年9月前半