はじめに…
ようこそ。この物語に出逢ってくださいましたこと、心より感謝申し上げます。
インディゴチルドレンの私のために、私の元にやってきた彼。今世では親子という形でめぐり逢い、人生で本当に大切なことを氣づかせてくれるため… 私を成長させるため…
としか思えないようなドラマティックなストーリーが次々と展開していきます。
どうぞお楽しみいただけましたら幸いです。

　

" Transit "

第1章　㉗

【浪人1年生】　

氣持ちを切り替えて浪人1年生の生活が始まった。　

高校3年間を過ごした都会から、

生まれ育った宇都宮へと

荷物をまとめて戻ったのだ。　　

日曜日を除いて毎日、画塾予備校に通う生活。　　

浪人の先輩もいるし、

1浪、2浪が当たり前の世界ではあるが、

それでも何となく挫折感漂う後ろ姿を感じていた。　　

私自身は仕事の拠点に東京になっていたので、

週に2日だけ宇都宮に戻るものの、

仕事を終えるととにかく買い物や食事の支度、

作り置きに忙しくなるのだ。　

私に出来る唯一のことはこれくらいなのだから。

普段は父親の男飯だから炒め物多いし…　

浪人生の氣持ちも私には正直わからない。　

絵のこともど素人だし…

3月の本番の試験まで本人を信じてご飯を作ることくらいしか何も出来ないのだ。　

とは言え、

4月からの浪人生活も1ヶ月も過ぎると

リズムが出来てきて、

世の中はGWに。　

何故かまた高校の友達が泊まりに来るとのこと。

虫とり？？？

車の免許も取っていないので、

どうするのだろうか？？？　

何はともあれ、東京を離れてしまった彼にとって、氣の合う高校時代の友達と久しぶりに会うのは

嬉しいはず。

私は？？おもてなし〜餃子を振る舞うために帰るわけで。笑笑

大学生やそれぞれの進路に進み、

集まるのは久しぶりのようですが、

全員が口々に、

「高校が1番楽しかった〜。　

　大学も特に面白くないし、普通なんだよ。

普通のヤツしかいない。。。」

？？？　　

普通のヤツしかいないって…

高校は普通じゃなかったわけ？？？

いったい誰が普通じゃないの？？？　

高校… そりゃあ、あなたたちの高校は、

自由でパラダイスだったのでしょうが…

私が知らないだけで本当に自由に愉しく無邪氣に

高校生活を楽しんでいたらしい。。。　

特に、うちの子？？

相当おかしかった？？？の？？？

一緒につるんでいた彼も？？？

その彼(虫友)とは別々の画塾予備校になり、

それぞれの浪人生活を送っているわけで…

虫とりの約束はこっそりとしているようで…

息抜きも必要？なのだろうし…

とにかく、彼らの存在は有難いわけで。　

高校時代から毎年、宇都宮に泊まりにくるのが

恒例になってるのも居心地がよいのだと、

勝手に解釈している。　

GWが終わるとまた予備校生活。　

毎日、7時間？8時間？絵を描いている生活。　

夏休みは夏期講習。

引き続き毎日毎日一日中。。。　

夏が終わると、首都圏の大手予備校で

コンクール(藝大模試)を受けるのだ。

順位が出てだいたいの現在地がわかる？　

コンクールで10位以内なら合格圏？　

コンクールで1位でも藝大不合格も。。。　

何とも難しい世界でもあるのだ。　

現役時代は相当下の方で

結果を教えてもらえなかったくらいだ。

年末に近づくと体調管理も

特に口うるさくなってしまう。　

毎週、顔を合わせる度に

「風邪ひかないでよ。

　ゆっくりお風呂に入ってね。

ちゃんと食べるのよ。

ちゃんと睡眠とるのよ。」

多分、耳にタコだと思うけど…

年が明けるとセンター(共通テスト)。　

昨年とは会場が違う。

東京の住所なので、前日から私のところに。

学科の勉強は何一つやっていない、

というのだが、舐めてないのか？　

現役と違って授業も受けていないのに　

必修の国語と英語、

選択は今年は数学をやめて倫理にした、

というのだが… (数学は問題を解いていないと時間がかかって終わらなくなるから、と。)

私は、お弁当を作って送り出す。　

雪も降らず、電車も乗り換えもなく、

とにかく無事に受けれたら。。。　

共通テストが終わるといよいよ始まる。　　

浪人1年、あっという間だった。　

彼本人の課題はクリアできたのだろうか？　

苦手は克服できたのだろうか？　

今年は武蔵美、多摩美も受験するのだが、

私大対策は何もしていない、なんて　

藝大しか考えていないから、

とりあえず受けるだけだから、と。　

私は…願書を間違いなく出すだけに集中。

多摩美、武蔵美の願書提出が終わると、

1月末には藝大の願書受付なのだ。　　

共通テストも含め、この書類作成、願書提出は、

彼本人は一切やらず、

全て私に丸投げ。(甘やかしてしまった。)

Webと郵便書留と…間違えないよう、

この作業が吐きそうになるくらい

実は緊張する。

これが終わると私の責任は

ほぼ果たしたと言ってもよいと思える。　

自分自身の受験の時の願書提出よりも、

入試よりも100倍緊張した。

2月はいよいよ多摩美の入試 3日間

(学科と実技)から始まる。　

　
つづく。。。　
　
　
　　
　

à bientôt！

　
　

　

　
　

　

　

㉗ 浪人1年生

㉗　浪人1年生