はじめに…
ようこそ。この物語に出逢ってくださいましたこと、心より感謝申し上げます。
インディゴチルドレンの私のために、私の元にやってきた彼。今世では親子という形でめぐり逢い、人生で本当に大切なことを氣づかせてくれるため… 私を成長させるため…
としか思えないようなドラマティックなストーリーが次々と展開していきます。
どうぞお楽しみいただけましたら幸いです。




 

" Transit "

第1章 ㉔

【切り替えの時間…卒業…】

  

氣持ちの切り替えは早かった。 

 

というのは私だけで、

彼は思ったよりも、まだ落ち込んでいた。 

 

 

卒業式も出たくないような様子で、

ボーっと何もやらず部屋から出ないのだ。 

 

 

初めての挫折感なのだろうか。。。  


可哀想だが、

この程度で合格してしまったら

これからの人生舐めきってしまうようで、

私は有難いと心から思っていたのだ。  

だって…

力を出し切ったように観えなかったもの。

ちょっと舐めているような氣がしていたもの。 

 

  

 


つい、一言、余計なことを言ってしまったら、


「ママみたいにメンタル強くないよ。」 

と言われてしまったのだ。ショボーン

 



 

一つのことを続ける、極める、って

簡単ではないし、

それ相応の覚悟がある人かを

問われる試験でもあると思っている。

どんなに逃げたくても辞めたくても、

それでも諦められない何かがないと続かない。 

何の保証もないけど、

最後は自分をどれだけ信じられるか。。。

そこに氣づいて欲しいから。。。 

 

今は、辛くて悔しくて苦しい感情を

とことん味わったらいい。

とさえ思いながらも、

彼の落ち込んた姿が目に入る度、

涙が溢れては観ないふりをしていた。 

 

  



明日は卒業式。 

高校生活は今までの学校生活で最高に楽しくて幸せだったことだけは間違いない。

ここで出会ったかけがえのない友達に恵まれたことも。

最高の3年間だったのは事実なのだから、

欠席させるわけにはいかないのだ。 

 

  

久しぶりに着る制服を用意し、

革靴を準備しながら、

3年間のうち、この制服を着たのは

何回あったのだろう。。。と。

普段は自由に私服での登校が許されていたので、

本当に最低限しか制服を着ることはなかったのだ。

それもこの高校が好きな理由の一つだった。 

  


 

そろそろ話しても良いかと… 

 

「沖縄、行くのよね⁉️ 

 浪人するにしても、沖芸入試はしっかり

 受けてきてよ!願書出しているのだから。」 

 

  

藝大一本と言っていた時に、

卒業旅行に沖縄に行ってくる、というので、

ムサタマを受けないのなら、

沖縄旅行ついでに沖縄芸術大学の後期を

受験することを約束していたのだ。 

 

藝大がダメだった場合、

浪人以外の選択肢もあった方がよいかも

という理由と、

他の大学に合格できるレベルなのかどうか、

という理由から 

沖縄旅行を許可する条件に願書を出していたのだ。

 

  

 

「沖縄は行くよ。受験もするし、

 行ってみてもしかしたら、

 沖芸でもイイかもと思ってる。」  

 

 

エッ まさか、沖縄に住む氣? 

と心の中で思いながら、

 

「そうだね。沖縄氣に入ってしまったら

 アリかもね。。。

 人生、何がどうなるかわからないものね。

 受けるからには合格しないとね。

 実技だけじゃないし、論文も面接もあるけど

 大丈夫なの?」 

 

 

「大丈夫!」 

 

 

やっと普通に会話が出来るように戻ったようで

ホッとした。

彼なりに氣持ち切り替える時間が

必要だったのだろう。 

せっかちな私は、一刻も早くと焦っていたのか。。

たった2日が長くて苦痛だった。 

 

 

卒業式の朝。

着付けとヘアセットを頼んでいた私とは

対照的に、

冴えない顔をして寝癖も直さずに

仕方なく出かけて行った我が子の姿が

何となく可笑しかった。 

 

これもまた一つの思い出になるのか。。。

 






  

卒業… してしまった。 

 

が担任の先生(日本画の先生でもあり)の

言葉に胸が熱くなり涙が溢れた。 

  


 

我が子を含め浪人する子たちに、

卒業しても、次の進路が決まるまでは

あなたたちの担任です。

と仰ってくださった。 

 

 

 

学校にも、担任の先生にも、クラスにも、

友達にも、最高に恵まれた高校生活。 

彼らのパラダイスキラキラ

心からありがとう。




そして、数日後は沖縄。

私もどんな大学なのか氣になるし、

念の為、物件探しも兼ねて行くことにした。 

 




 
つづく。。。 
 
 
  
 

à bientôt!ウインク