はじめに…
ようこそ。この物語に出逢ってくださいましたこと、心より感謝申し上げます。
インディゴチルドレンの私のために、私の元にやってきた彼。今世では親子という形でめぐり逢い、人生で本当に大切なことを氣づかせてくれるため… 私を成長させるため…
としか思えないようなドラマティックなストーリーが次々と展開していきます。
どうぞお楽しみいただけましたら幸いです。




 

" Transit "

第1章 ⑭

【本番一週間前に自信喪失⁉️】
 

 

すべての準備は整った。はず。

入試は学科と実技の2日間なので、雪でも降ったり、電車が止まったりしたら大変なので、

受験校の一番近くのホテルを前泊から2泊、早々に取っていたのだ。

(都内だと大学入試もあり、早めに予約をしておいた方がいいよ!とアドバイスもいただいていた。) 


入試本番まで1ヶ月を切り、ひたすら描いていた。

受験科日本画クラスに移り、水彩画を始めた5ヶ月前から比べると、

素人の私からしたらかなり上達したのでは、と思えていた。 


  


KILALAから帰宅すると、

お風呂に入って、晩ごはんを食べ、

一応、受験勉強をしている風で

3教科の過去問を解いている。

クイーンかバッハのBGMをかけながら。 

 

 

 

いよいよ、あと一週間という頃、

事件?は起きた。 

 

 

 

いつものように、KILALAに向かえに行くと… 

 

もの凄く暗い表情で車に乗り込んできた。



「お疲れ様。。。どうした?疲れてる?」

と精一杯いつもの調子で聴いてみた。 

 


か細い声で

「うん。」 


のみ。

 

  

なんか落ち込んでいる。っぽい。

正直、何と言ったらよいかわからなかった。 

クイーンの曲だけが鳴り響く中、

私も黙って運転していた。 

 

 

 

いつものルーティンを済ませ、

私も後片付けを済ませると、

ただボーっと問題集だけを開いて、

かなりテンション低い姿でリビングにいる。 

  

 

 

「どうした?.

   疲れているならもう今日は寝ちゃったら?」

 


 

「うん。」  

 

 


プレッシャーを感じているのか、

緊張しているのか、 

先生にダメ出しされて落ち込んでいるのか、 

いずれにせよ疲れていることは間違いない。

こういう時は寝るに限る! 




と私に出来ることはメディセッション。

五臓を整えること。 

リビングのソファで軽く足から氣の出し入れを。

やはり肝臓も胃もカチカチだタラー

  

 

セッション後はすぐに2階に上がって

ベッドに入ったようだった。

 


 

翌朝は普通に朝食を食べたのでホッとしたが、

寒いし、過保護な私は、車で送っていた。 

 

 

帰りも仕事の調整がつく限り、

学校に迎えに行き、KILALAに送っていた。 

 

 

昨日よりはマシだったが、まだ暗い。 

「どうした?大丈夫?」  

 

 

「描けないんだよ。

 僕はセオリー通りに描けない。」

  

今にも泣きそうな顔で言った。 


   


  

「描けてるよ。凄く上達したと思う。

 上手くなったよ〜。凄いと思う。

 特待合格までしたじゃない。

 大丈夫よ!!」 

 

 


「全然下手なんだよ。

 特待のはデッサンだったし、

 着彩じゃない。

 周りに上手い人いなかったから。


 M先生が言うように描けないんだよ。」 

 



「あなたね、大学受験生と比べたら

 そりゃあ下手なのしょうがないわよ。

 それに、油絵の癖があるから、

 よくここまで描けるようになったわよ。

 大変だったね。

 ガンバってるじゃない。凄いわよ。」 

 

 

 

「でもセオリー通りに描けないし、

 どう描いていいかわからない。 


 ……    行ってきます。」

  

 



KILALAに着いてしまい、

車を降りて行った。



私の言葉には全然響かないのだ。 

変に真面目過ぎるところがあるのだ。

私までどうしたらよいのかわからなくなって

泣きたくなってきた。  

  

ただ今の氣持ちを吐き出したわけだから、

SOSなわけだから… 


後一週間を切っているのに、

あんな風に自信喪失なんて…  

 

私にはどうすることもできないのか… 

 

 

 

そう思った瞬間、私も車を停めて、

学院長先生のところに向かっていた。  

  

事務所に伺うと、

運よく先生がいらしたのだ。 

 

 

 

「先生、どうしましょう( ;  ; )」 

 

 

私の顔を見て察してくださったのか、また、

入試まであと少しという時期でもあるため、

 

「ママ、入って。」 

 

と、学院長室に通された。 

 

 

彼の状況と、先程の会話をお話すると、 

 


「今日、終わったらKくんと話します。 

  ママも一緒に、

 迎えに来たらまたここに来てください。」   

 

 

 

本当に有難い。

いつも真剣に向き合ってくださること、

どれほど感謝してもしきれない。 

 

 

 

迎えに行き、

また車を停めて私も学院長室に向かった。

夜9時近くになって彼も終わって入ってきた。 

 

 

 

「Kくん、よく頑張ってるよ。

 もうすぐだね!

   何か氣になることあるの?」 

 

 


「セオリー通りに描けない。。。」 

小さな声で呟いた。

 

 

 

「セオリー通りに描かなくていいわよ。

 KくんはKくんらしく描くからいいんでしょ。

 高校の方だって完璧な人を望んでいる

 わけじゃないのよ。 

 セオリー通りにつまらない絵より、

 なんかこの子、面白くなりそうだな、

 伸び代あるな、って子を観てるんだよ。 

 Kくんらしさが出なかったらつまらない

 でしょ。

 おもいっきり自分を表現していいの。

 大丈夫!」 

 

 

 

さすが先生だ。 

聴いているうちに彼の目が

ドンドン生き返ってきた。 

有難い。

なんてこの子は恵まれているのだろう。 


 

 

「さぁ!大丈夫だから

 おもいっきり描いてらっしゃい! 

  

 バン!と背中を押してくださって、

 

 先生がこうやって氣合い入れると

 みんな合格するのよ!」 

 

 

 

そうおっしゃって、

陽の氣を大量に浴びさせてくださったのだ。 

 

 

 

その後は帰りの車の中も、

家に帰っても、

何かが吹っ切れたように、

イキイキしていて、

お風呂からは鼻歌まで聞こえるのだった。 

 

 

 

どんなに感謝しても感謝しきれないくらい、

私はまた改めて学院長先生の存在に

感謝していた。 

  

 

 

私まで氣分はノリノリ、

上手くいくイメージしかないのだ。 

 

 


  中3  受験前 水彩画 




 

いよいよ入試前日。

移動もあるため、中学は欠席し、 

とにかく忘れもののチェックを

これでもか、というくらい念入りにして

画材道具と筆記用具、

2泊3日分の荷物を持っていざ出発! 

 

 

 


つづく。。。 
 
 
  
 

à bientôt!ウインク