加藤千恵さんの本をあらかた読み終わってしまって

似たような感じの本がないかなとジュンク堂探索。

ちょうど夏フェア。

集英社のナツイチキャラがハチじゃなくなってて悲しい。

あのストラップ、バイト時代に皆で集めてたなぁ…。

 

ずら~っと新刊やらフェア本やらが並んでいる棚を順番に見ていく。

1冊を途中まで読んで、面白そうなのでマインドキープ。

次に目に止まったのが砂に泳ぐ彼女でした。

この2冊をお買い上げ。

以下ネタバレ感想です。

 

砂に泳ぐ彼女、久々に本棚キープになりました。

最近買っては図書館に持っていくことが多かったから、すごく嬉しい。

かなり価値観を揺さぶってくれた、良い本でした。

帯についてた「あなたは弱くていいね」は主人公に向けられる言葉なのかなと思ってたら違った。

なんやかんやあって上京して主人公が作った彼氏に放つ言葉だった。

最初の方は淡々と話が展開していって、こんな上手いこといい出会いが続くか! と思いながら読んでいたのに、彼氏の様子が変わった辺りから何か、うわ分かる、すごいリアルってなった。

特に自分が躁鬱の人と付き合ってたことがあったからか、彼氏の気分の浮き沈みみたいのが分かる気がして。

でもあの程度なら普通でもある気もする。

しかもそれが自分が育った環境のせいって主張。

 

特殊な環境で育ったから仕方がない

私がきちんと支えてあげたら、傷が癒えて立ち直っていくんじゃないか

 

ああ~~分かる~~~

たぶん私も同じようなこと考えて元カレと一緒にいてた!

それに自分が別れたいわけじゃないから、多分病気とかなくても、自分が頑張れば、みたいに思っちゃう人いると思う。

 

でもある日主人公がいっぱいいっぱいなっちゃって、誰かを頼りたくて最近会ってる男の人(既婚者)か上京してできた友だちか、ってなって、主人公は友だちのところにいく。

分かる~!! 弱い時に異性に行きたくなるやつ!!

すごいこの辺めっちゃ上手い。リアル。

ここが効いてくるあとの部分も好き。

 

で友だちのとこに行った主人公は友だちに初めて今の彼氏との状態を打ち明ける。

そしたら友だちがおもむろに、自分の話をしていい?って。

うん、と促すと、実は明るくて穏やかにしか見えていなかった友だちも、親にDVされたみたいな過酷な環境で育ってきてた。

でも頑張って大学まで行ってアメリカに留学して、そこで今の旦那さんに出会う。

お互いにいい感じになって旦那さんに告白されるけど、友だちは悩む。

1週間悩んで出した答えが、自分は特殊な環境で育ってきてて、その辛さを克服できてない。それであなたを苦しめることがあるかも知れないから、付き合えないと。

そしたら旦那さんは、

 

そっか。それなら仕方ないね。あなたが今まで生きてきて感じた辛さを分かるなんて僕には言えないし、それを分かってる君が1週間悩んで出した答えなら仕方がない。

それなら諦める。

 

そう言われて友だちは旦那さんの部屋をあとにする。

それで、1人になった時に気づく。

私は助けてあげるとか、支えるとかそう言ってもらいたかったんだと。

でも、彼には彼が幸せに生きる権利がある。

私の苦しみに巻き込まれることを拒否する権利がある。

何を甘えてたんだろう。

私の苦しみは私自身のものであって、彼を巻き込んじゃいけない。

これは自分で乗り越えなきゃいけないんだって。

 

そう考えて、友だちは旦那さんの部屋に戻って、自分の辛さは自分で克服する。

でもそれと戦うときに、あなたが隣にいてくれたら嬉しいです。

そう言って二人は付き合い始めて、結婚する。

 

自分にそういう経験があるから、だから主人公の彼氏くんの気持ちも分かる。

でもだから、主人公の人生に口出しする権利はないけど、私は主人公ちゃんに彼氏くんと別れて欲しい。

あなたを不幸にしないでって言いたい。

そう言われて主人公は、友だちの方に来てよかったって思ったってモノローグが入る。

 

す~~~ご~~~~~い!!

うわ~そうか~~助けてもらいたい、支えるって言葉欲しいって分かるけど、そうか~。

寄りかかりたくなるけど、それは自分の苦しみで自分が処理しなきゃいけないものなんだよねぇ。

なんか助け合い支え合いみたいなの間違ってると思わないけど、自分で立とうとしなくちゃいけないんだよね。

最近って弱者は助けなきゃいけない! みたいな空気あるけど、全部を全部助けるじゃ皆で共倒れするよね。

全部預けて助けては違う。確かにそうだわ~でもその境界線曖昧になってたわ~~

って気付かされたとこでした。

 

実はこの後の彼氏との関係に決着がついた辺りでいま止まっちゃってて、最後まで読めてなかったり。

この後どう展開するんだろ。

ただ最初、主人公が地元で働いてた辺りは自分より全然若い将来溢れる年齢だったからあんまり共感も何もなかったんだけど、今の時点で同い年まで来ました。

分厚い本だな~と思ってたんだけど、かなり重厚。

でも出会えてよかった。

人と接してても色々あると思うけど、良い本と出会うって人との出会いばりに自分の人生にインパクトくれる。

それを思い出させてくれた本になりました。

 

実は似たことは大好きなキングダムハーツってゲームでも描かれてたんだけど、それは別で書こう。

青のフラッグもめちゃくちゃ良かったから、どっち先書くかな。