他の桜は 葉桜だけど
たった一本 名残の花が
まるで二人の 遅い春
寿ぐように 咲いている
肩に降れ 袖散れ
少し小粋な 演歌のように
今夜も開くわ 夫婦店
惚れて白川 疎水のほとり
歩きあなたと 出会った寺へ
手を取りながら 春の庭
ふらりとやって 来たのです
山で鳴く 鳥の声
聞こえなくても 演歌をひとつ
今夜も歌うわ 夫婦店
惚れて別れる 友達もいた
しょせん売り物 祇󠄀園の花も
投げた昨日の 舞扇
あなたが拾って くれたのよ
人の世を 描き切る
歌(ウタ)はやっぱり 人生なんて
真心注ぎ足す 夫婦店