2010年10月

ソーシャルワーカーさんが転校手続きについて説明に来て下さった




Kは病室のこのベッドで、訪問教育という形で授業を受けることになるらしい

一人なんだ…汗




新しいお友だちが出来るかもと期待していたから、少し可哀想だった




同室の子達はみんな、訪問教育ではなく院内学級に行っているのにね…




外泊の時に、数学、英語、国語の教科書を自宅から持ってくるように言われた




その後、私一人で、Kが5月まで通っていた地元の中学に転校の挨拶と手続きに行った




職員室の廊下で待っていると、わいわい元気な中学生たちが、誰のお母さん?と私のことをチラチラ見ながら通りすぎて行った




ちょっと前までは、Kもこの子達と何にも変わらなかったのに…




私は何で、何のためにこんなところに来てるんだろう?

Kはもうここにはいないのに…




気持ちが沈んで、うつむいて顔を上げられず、床ばかりを見つめていた




私の子はね、みんなの知らない遠くの病院で、みんなの知らない怖い病気と、たった一人で闘ってるんだよ



そう教えてあげたら、みんなは何て言うのかな?




転校については予め電話で伝えてあったので、話はすぐに終わった




担任の先生から、Kが入学して間もない頃に書いた作文やKの持ち物を渡された



この作文はとても上手く書けていて、選ばれて学年通信に掲載されたものだった



入学当初の希望に溢れた気持ちが、活き活きと表現されていて涙が出た




帰りに下駄箱の中に置きっぱなしになっている上履きを持って帰るように言われた




Kの名前を探して上履きを見つけようとしたら、運動靴ばかりの中で上履きはたった一つだけだったからすぐに分かった




ここでもみんなと違うんだね




ひんやりとしたKの上履き
ポツンと寂しそうで、泣いているように見えた






この頃、申請していた小児慢性疾患の医療券が自宅に届いた

本当にすごい病気になってしまったんだね




外泊の日

病気のせいで視力がめっきり悪くなってしまったK




もうじき訪問授業も始まるので、メガネを買いに旦那と近くのメガネ屋さんに行った

もちろんKも連れて




車を駐車場に停めて、車椅子の準備をし、やっとのことで店内に入ると、店内の空気が一瞬で変わり、ベテランの男性がサッと近付いて来て対応してくれた




対応はとても良かったが、最初にKを見つめる視線が辛かった




気遣いながらも、Kの姿にギョッとして、引かれているのを感じた為、病気の治療中とだけ伝えた




斜視があるからプリズムという特別な処理をしたレンズを勧められたけれど




今度はいつ来られるか分からないし、その日にすぐに持って帰りたかったので、普通のにした




それでもちゃんと視力は0・9は見えるとのことで、Kも気に入ったので購入した




Kにとって初めてのメガネだった




Kはとても嬉しそうだった