焼肉を食べ終えて家に帰った

お義父さんもお義母さんも
美味しかったーっととても喜んで
くれていた

子ども達は風呂を済ませて
サッサと寝てもらった

奥さんがお義父さんとお義母さんに
話があるみたいなんやけどいい?っと
お酒も入って風呂も済ませて
寝るだけになった
お義父さんとお義母さんと
話が出来るようにしてくれた


さぁ…話さなければ…


俺は結婚の挨拶へ行った日の夜
大失敗をしてしまった…
進められるままに酒を飲み
気が大きくなった俺は
お義父さんに絡んでしまい…
お義父さんにケンカを売ってしまい
はじめは抑えてくれたお義父さんも
ついにブチ切れ…
奥さん号泣…
その日はお義父さんの誕生日でも
あったのに…台無しにしてしまい
お義母さんにも激怒され
もう結婚は無理かっと
いうところまでいってしまったけど
その時は日を改めてきちんと謝り
許して頂き結婚する事が出来たのだった
その後もお義父さんの紹介で
受けた会社を面接で俺の方から断り
またお義父さんの顔に泥を塗り…
次にまたお義父さんが紹介してくれた
会社で…大変な事をやらかしてしまった
んだから…
もう殺されてしまうんじゃないか
っくらいの話だ



覚悟を決めて話した…

お義父さんもお義母さんも
言葉を失っていた…
でもお義父さんだけは
同業でもあるから
事の重大性を理解していた…
でも
『やってしまったものは仕方ない。
 あとは会社がどういう処分を下すか
 を待つしかない。
 今色々ここで考えても仕方ない。
 離婚するかどうかも
 会社の出方をみて2人で考えろ。』
っと…言われた。
殴られる覚悟だったけど…
でもハラワタは煮えくり返っていただろう


俺の中では
もう申し訳なくて
離婚しないという選択肢はなかった
一生お義父さんやお義母さんに
どんな顔して付き合えばいいかも
分からないし
1人で罪を背負って生きていけばいいっと
思ってた

翌日奥さんと2人で
俺の実家にも話に行った
うちの親は
『そーか…お前はストレスが溜まると
 そーいう事をするんだな
 奥さんは身体は大丈夫?
 今は癌は落ち着いてるの?』っと
なんだかトンチンカンな事を言ってた
やはりどのくらい大変な事か
この時にはわかっていなかったのか
奥さんがいたから
精一杯抑えていたのか…

まぁ結局は自分の親には縁を切られた
もう2度と関わるなと
それから2年たったけど
連絡はない



刑事告訴されてもおかしくない案件では
あったけど、会社も把握出来ていなかった
管理責任があるからなのか
温情なのか告訴はされず
俺は10年間かけて会社へ罪を償う事に
なった

それが決まるまでの数週間…
毎日何時間にも及ぶ取り調べ
いつとも決まらず呼び出しがあり
会社へ出向く
俺が悪いには間違いないが
とにかく責め立てられる…
家に帰れば奥さんとも話をしなければ
いけない…
1人になりたかった…
このまま死んでしまえば楽になれるのに

死んだら自殺したら
住宅ローンなど
連帯債務者である奥さんに迷惑がかかる
自己破産しても同じだ
俺には生きて働く選択肢しかなかった
毎日の取り調べやこれからどうするかの
不安からもう頭はおかしくなって
奥さんに大きな声で怒鳴ったり
暴言を吐いて家を出たり
暴れたりしていた
奥さんは精神科へ一緒に行こうとも
言ってくれたけど行かなかった
1人になれれば楽になるから
とにかく早く離婚して1人になりたかった
奥さんは俺が家を出ても
また別に生活費がかかるだけだから
離婚せず一緒に頑張っていけばいい
夜勤の仕事に変わればもっと稼げるから
っと言ってくれた…
でも俺が嫌だったんだ
この時はただ1人になりたい
それだけだった
あんなに考えてくれた奥さんの言葉は
耳に入らなかったし
離婚しないなんて
誰も許してくれない
こんな俺と一緒にいる事を
誰も許してくれはしないと思ってた