飼っていたカメが死んだ
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昨年秋
まだ生後間もない状態で
うちの玄関にやってきた
甲羅長3センチほどの赤ちゃんカメ
わたしが若い頃から
約16年飼っていた別のカメが
いなくなってすぐの出来事で
奇跡だとaoと喜んだ
カメが自らわたしたちを訪ねてきたのだから
裏庭に魚屋さんの大きなプラケースで
小さなカメワールドを作った
池と
石と
土と
枯葉や草花で
冬が来て
赤ちゃんガメを冬眠させることには
リスクがあった
でも自然に冬眠させることを選んだ
電気と熱を使って
室内で冬を越すこともできたけれど
出来るだけ自然にと
春になり
見事に元気に起きてくれた時は感動した
池のコケや
ボウフラや
小さな虫や
土の中の有機物
食べていたのだと思う
市販のエサをあげても食べなかったから
捕食しているところは一度も見ていない
けれど元気だった
小さくていつも可愛いのだった
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一昨日まで
元気だった
あれ
2日間同じ場所から動かない
ぐっすり寝ているのかな
それにしても動かないな
胸騒ぎがした
名前を呼んでみた
触ってみたら感触が変だった
これ以上確かめることが怖くなり
すぐにaoを呼んだ
死んで少し時間が経っていたのか
アリに食べられて顔がなくなりかけていた
甲羅はぶよぶよになり
身体はスカスカに軽かった
裏庭の土に埋めたら
いつも近くにいられるかと思ったけれど
夏になったらカメと一緒に泳ぐのが夢だったから
裏の川に流してあげることにした
さようならと
わたしの手から
流れていく
悲しくて悲しくて
泣いても戻ってこない
ごめんね
かわいそうなことして
ごめんね
きづかなくて
人間のエゴで
狭い世界に閉じ込めて
しあわせだったのかな
申し訳ないおもいばかりが胸を占領して
キュッと締め付けて痛い
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数日前
ノコギリクワガタが玄関に来た
珍しくて
飼い出した
昆虫ゼリーを買って
木屑を敷いて
砂糖水もあげた
喜んで食べる姿
観察するとおもしろい
飽きなくて
自分のものにしたくて
横に置いておきたくて
でも
明日逃がしてあげようとおもう
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街中で育って
どちらかと言うとインドアな幼少期
虫取りはセミを捕まえたくらい
かわいいものという認識は
大人になってから芽生えて
わたしのそばにいのちがあることで
不安や寂しさも紛らわす
犬を飼っていた時よりも
より小さないのちは
責任感無く飼い始められる
いつか死ぬこと
本来なら
幼少期に経験して
わかるべきことなのかもしれないけれど
わたしはこんな歳になって
小さなものの死が
不思議で
儚く胸を締め付けるものと知る
田舎では
人間以外のいのちも多いから
飼わなくても
一緒に生きている
地球上の同志だと思えば
自然のままで