世の中、脳を刺激する煩悩の素で溢れかえっている。


もっと昔は。


まだまだ物が劇的に少なかった時代は、決まった物しかなかった。


でも今はどうだろう。
時代とともに生活は進化し、画期的なモノが増えた。
便利に暮らすための物やシステム、50年前に比べるならば考えられないほどにある。



ならば、と思う。


暮らしが豊かな程、苦労を知る機会も減る。
欲しいものはとても簡単に手にはいるし、更に一つには飽きたらず、次から次へと、欲しいものは種類がありすぎて尽きやしない。


恵まれている。


なのに、と思う。


今の人は、昔を生きた人より喪失感や、寂しさに満ちていると思う。
わたしも含めて。


少ししか選択肢がなく、それを当たり前に生きた時代の昔の人たち。


溢れかえる情報に魅了され、手の届く所にはなんでも揃う現代の人たち。


同じなはずは…と思う。


脳も心も酷使して、刺激にまみれた生活を送る果てに残るものは、きっと喪失感や、寂しさ。


シンプルもまた贅沢。いつもそう思える脳がほしい。