器用な人が、この世の中にどれくらいいるのでしょうか。


器用・不器用と言っても、私が申していますのは、世渡り上手か否かという事なのでございます。
ざっくばらんに申しますと、そうゆうことにございます。


世渡り上手の、しかもその類いの中でも極上に素晴らしい階級に値する人には、会ったことはないと自負しています。
ですが、そこに近い人は身近にいらっしゃいます。
人望は厚く、人格はとても人情的、なのに社会を上手に渡るノウハウと、あらゆる人から愛される愛嬌を持ち合わせている、脅威の61歳の美人だ。


彼女の唯一の欠点としてあげていいのは、
彼女は天然だ、という事でありましょう。
その美しい、
出来る女性の風貌と裏腹に、
突拍子もない事をおっしゃるのであります。
まして愛嬌がある方ですから、愛嬌たっぷりに、でも大真面目で不思議な発言をなさるわけですから、
これは笑わないわけにはいかないのです。


唯一の欠点ではございますが、それは更なる魅了点とも相成りましょう


そんな、理想的な上司をもつ私ですのに、
真に不出来なものでございます。
大真面目で、世渡りは下手、能力に長けた部分も特になし、意気地も殆どないと来ているのでございます。


ただ、わたしに1つできることは。
世の中の上層を生きる人たちには決して味わいがたい、最下層の木偶の坊の気持ちを理解することができる、と言う事に尽きましょう。


駄目な人も生きているんですから、理解者がいなくてはやっていけないのです。
肯定されること。
駄目な人には得難いこの賛同を、木偶の坊だから持ち合わせています。


ただ、それだけしか有りませんが。