
スーパーの入口での事
買い物を終えたお爺さんとお婆さんが
出てきた
カートはお婆さんが押している
足取りもしっかりとしたお婆さん
その後を全くおぼつかない足取りで
お爺さんが何歩も遅れてやってくる
お婆さんがカートの荷物を持ち上げようと
手を伸ばした時
「はいはい いいよワシが持つよ」
ものすごく優しい声でお爺さんが荷物を
ひょいっと持ち上げた
お婆さんは少し嬉しそうな顔をして
お爺さんをチラリと見て2人は去っていった

何て幸せな瞬間に私は居合わせたのだろう
今までの2人の間に何があって
どう生きてきたのか全くわからない
だけど あの感じが出せる2人には
私達夫婦には
絶対に追い付けない何かがあるのだ
その何かが
いい加減私には分かりかけてる
2年付き合って
先月で結婚25年目になった
旦那の顔を見ただけで言わんとする事が
手に取るように分かる
好きなもの嫌いなもの
ハマっている事
会社で嫌なことがあったとか
顔をみれば分かる

同じ歳月を共にしたって
相手を思いやる気持ちが同じには
ならないのである
この長い間で彼について気付いて
ショックで堪らなかった事が沢山がある

ここには書き入れないほどだ
隣に居る私の髪が何色になっていようと
彼は気付かない
彼が好きな女性アーティストなら
直ぐに分かるのに
妊娠 出産も応援してたよね
私が育児に疲れていた時は
「だから生むなって言っただろ」
そう言った
私は彼の好きなものの順位最下位
私は彼を1番として長い間生きてきた
それに意味がないと分かった時は
流石に自分を勿体ないと思った
私は私を1番だと思ってくれる人の為に
生きていきたかった
でも もうそれも勘弁
私は私の為に生きたい
絶対に抜け出してやる
このくだらない茶番の様な夫婦関係
あなたはあなたの好きなものに
囲まれて生きて下さい
私は私の為に生きていきます
もう人生の半分は過ぎてるの
時間がないんです
ポッカリと開いてしまった心の穴を
埋めて死にたい
死ぬ寸前に
「いい人生だった」
そう言いたい
