あなたはたまにこんなことを思いませんか?


この世は不思議な世界であるということを・・・
森羅万象すべてが中立を目指してバランスがとられるように「流れる」ことを・・・


良い所があれば、悪い所も発生する感じですね。
健康だけれども金が無い。
金は有るが、健康が無い。


と言う感じで、
これが無数のバリエーションの視点で起こり、
トータルでは必ずバランスが取られているようですね。


だから、
あなたも、またどんな人間でも幸福度合いは、
深い意味では一定であり同じみたいですよ。


逆に言えば、
自分なりに頑張っても自分は最悪でダメな人間だと思い込む人は、
良い部分に気付いていないだけかもしれませんね。




それでは前回の続きを


その方は市街地からバスで40分ぐらいかかる郊外に住んで、
夫婦二人暮らしですが生活が裕福というわけでもありません。


私の一応親族になりますが、これまであまり親しい関係でもないですが、
今までに頼みごとは何回かしたことがあり、
これまでは気軽に引き受けてくれていたんですが・・・


もうすっかり日が暮れた午後8時頃、
バス停から歩いて15分ぐらいの距離にある家まで、

お土産として、
昼間デパートで買ったお好み煎餅を右手に持って暗い夜道をテクテク歩いて行ったのです。


ブザーを押し玄関が開かると、40代の奥さんが笑顔で立っています。
葬式にも来てもらっていたのでそのお礼を言い、煎餅を渡し、
昼間、前もって保証人の件を奥さんには連絡を入れておいたのです。


「お母さんは残念でしたね。気を落とさないようしてくださいね」
「はい、ありがとうございます」
「今、主人は風呂に入ってますので、ちょっと待ってくださいね」
「はい、わかりました」

と玄関の前で雑談を数分していたところ、


バスタオルで下半身を結んだ裸のままの姿で、
50代前半のHさんが怒った顔で玄関に現れます。

「保証人の件はできないよ!」
「え!なんでですか・・・」
唐突の言葉で驚きながら答えると、


「アンタが俺に言う前に保証会社から電話があり何でも聞かれたよ。
まだ保証人にもなっていないのに何で聞かれなくちゃいけないんだ!」

「もう保証会社から電話があったんですか・・・」
不動産会社での昼間の話では保証人に電話するのは2~3日後と聞いていたのですが・・・


「それはスイマセンでした。
でも今回は役所が直接家賃などを払いますので心配かけるようなことはありませんから・・・」


よほど頭にきていたのでしょう、
「いや、何遍お願いされてもできない!」
と言うなり、プイッと別室に行ったのです。


横にいた奥さんはオロオロするばかりでしたが、
「あなたがもっと早く主人に直接連絡をしておくとこんなことにならなかったのに・・・」


そうなんです。
これは誰だって怒りますよね。
私が直接連絡をしていないのがいけなかったのです。
そして、ちょっと甘く考えていたのがいけなかったのです。


あなたもご存知と思いますが、
賃貸借の連帯保証人は、
借主になんらかの事情があったときに変わりに責任を負う人のことですね。


たとえば、
家賃が払えなくなったとか、突然いなくなってしまったなど、
大家さんにとって困ったことが起こったときに、
連帯保証人が変わりに家賃を払ったり、
荷物を引き取ったり…という義務があるのです。


しかも、
「保証人」とは違って「連帯保証人」は、その責任から免れることができません。


もし、
大家さんから「家賃が払われていませんから、払ってください!」と言われれば、
必ず払わなければならないのです。


その責任から逃れることはできない、
という法的な力が「連帯保証人」にはあるため、
簡単に他人の連帯保証人になることをOKする人は少ないですよね。


不動産会社でも、
一般的には連帯保証人は「親族」に限定している場合が多いのが現状です。
親族と言うのは、親がいればまず親、それから近い親等の親族になります。


連帯保証人になるためには大事な条件があります。
それは、「お金の支払い能力がある」ということ。


借主がお金を払えなくなったときにお金を代わりに払うだけの能力がなければ、
大家さんだって連帯保証人として認めてくれませんね。


これだけの責任がある賃貸借の連帯保証人を頼むのですから、
もっと慎重に礼儀を持ってお願いしなければいけなかったのですが、
今までの感覚で接して気軽に考えていたのが失敗の原因だったのです。(母の死も影響があるかもしれません)


Hさんの家を辞し、
また暗い夜道をバス停まで、
今度はトボトボと歩く私の後姿があったのです・・・



つづく。


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