Fortune comes in by a merry gate. -2ページ目

Fortune comes in by a merry gate.

笑う門には福きたる

しばらく、書けなかったけど、

やっとつづきを書く気になりました

 

 

I seek 13 

 

クリスマスのシーズンになり、
まわりが家に帰っていく

俺は、せっかくのヨーロッパを旅行でもしようかと
本屋へ行き、ガイドブックを買ってきた

 

あの花見の時に伸ばした手を振り払う
雅紀の顔が忘れられない

「やだ! 触るな」

「こんなの、もうやだ!」


雅紀からの拒絶は、この合わないでいる時間の中、
雫が落ちるように一滴一滴とたまって、固まっていく


ほどけない大きな塊が、胸やのどにつまって、
息苦しさを感じる


日本に帰る。そんな選択はみじんも考えられない

 

 

 

ガイドブックを広げて、旅行先を決めた

ドイツにしよう

 


空港を降りて、ホテルへ向かう
カウンターでチェックインをして、
エレベータへ向かう

ポーターが荷物を運んでくれようとしたけど、
それは断った。大した荷物でもないし、
学校へ行ってたときは、忙しくて、頭を勉強に使っていた
けど、一人になると、また雫が溜まってくる

クリスマスシーズンのドイツは、華やかで、厳かで
早く一人になりたかった
世界中が消えてしまえばいいのに

 

エレベータのボタンをおして、閉める寸前に
フードーを深くかぶった一人の男が乗り込んできた


止まる階を聞くと、俺と同じ階を指さした


その男の香りに
なぜか、涙があふれそうになった
上を見てエレベータの表示階をにらみつける
エレベータがやけに遅く感じる
早く、一人にしてくれ


ピンと軽やかな音がして、ドアが開く


男が下りるのを待って、エレベーターをおりる

 

フードを深くかぶった男が、急に振り向いて

「しょーちゃん」と言って抱き着いてきた


あっ 膝から崩れ落ちるってこういうことなんだ
力が抜けて、立ってられない
さっき、感じた涙は、この香りに引き込まれたから

「来ちゃった」

ノー天気な明るい声