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やっと解放されるね。いつも駅からの道を歩いているとき、鞄から鍵を取り出しているとき、何かが少しずつ削られていくような感覚だった。「また帰ってきてしまった」という後悔と罪悪感を毎日毎日積み上げていた。

いい母親と父親だった。「私を思ってやってくれたんだ」と感謝しなければいけない、そう考えることのできない自分は悪い子どもだ、そう思ってしまって、家族と話す度にやましさが募っていった。
家族との会話や出来事全てがコンプレックスだ。小さい頃の記憶も全部。だから、私みたいなのはもっと早く家を出るべきだった。でも、家族に甘えきってそれを実行できなかった自分を責めてしまうから、過ぎたことを考えるのはもうやめようね。と自分に言い聞かせる。

もう、自分の部屋で声を殺して泣いたり笑ったりしなくていいんだ、いつ開けられるかわからない左側の扉を意識した生活は終わるんだ、と理解はしているのに、そんな自由な世界があるのかと信じられない気持ちになる。親に頼らない生活はきっとめちゃくちゃ辛いと思うけど、絶対楽しいから、多分大丈夫。良かったね私。あと1週間頑張ろうね。