1週間、2週間と働いていると段々と自分の変化に気付いてきました。
朝、職場に行く時。
仕事が終わってからの帰宅時。
休日に外出した時。
外にいる間、すれ違う人をまじまじと観察するようになってしまいました。
「あの人は精神科の患者さんじゃないかな?」と見るようになってしまったのです。
一種の職業病みたいなものだったんだと思います。
精神科に入院したり通院している方にはある程度の特徴があります。
・前傾姿勢で目線は足元
・空笑、独言・独語が見られる
これに限ったことではありませんが、実際に働いていて見られた特徴でした。
空笑とは、一人でニヤニヤと笑うこと。
独言・独語とは、ひとりごとのことです。
私も経験がありますが、思い出し笑いをして外で笑ってしまうことがありますが、そういった雰囲気とはまったく違います。
私が今住んでいる自宅の近くにも割と大きな精神科の病院がありますが、近くのスーパーなどに買い物に行くと
今でも「そうじゃないかな」と思うことがたまにあります。
偏見を持ってそう思って見ているというわけではなく、単純に「そうなんだろうな」「そうじゃないかな?」と思うのが当たり前になったという感じですね。働いていたからこそ、それに気付き分かるようになったんだと思います。
ここでひとつ、患者様とのエピソードを。
月曜日男性、火曜日は女性というように日替わりで自立している患者様は入浴できるようになっており、看護助手は「今日は女性の入浴日なので昼食までに入られてくださいね」といった具合に声を掛けるのですが、数人毎回入りたがらない患者様がおられました。
男性は割とスムーズに入ってくださるのですが、女性の方がなかなか入りたがらないのも最初は不思議でした。
ある日、いつものように拒否される女性の患者様に声を掛けにいったのですが、その日も拒否を示されました。
その患者様は統合失調症の方で、神様のお告げが聞こえる方だったのですが、少し時間を置いてまた声を掛けに行きました。
「今日は土曜日よね?だから神様が、風呂の中に土が入ってるから入らない方がいいって言ってるのよ」
と切り返され、むしろ「そんな理由があるのか」と関心してしまいました。