あんにょん。
これは私の頭の中のお話です。
読んで下さる皆様が楽しんでくださいますように。
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<妄想小説> 鼓動 ~vol.6
地下鉄2号線。
MP3から流れてくる音楽を聞きながら、今日の講義の教科書を開く。
大学に行って、レッスンを受けて、そんな生活に私は慣れてる。
このままレッスンを受けていても、何か道が開けるかなんてまだ何にもわからない。
でも、練習生になれただけでもすごい事なんだって、自分で自分に言い聞かせる。そんなかんじ・・。
建国(コングク)大学校・芸術文化学科に在籍しながらのレッスン。
わかった事は、YGはそんなに甘いものではなかったし、建国大学校もそんなに甘いものではなかったって事。
それでも、選択を一つに絞るなって自分で決めて進んだ道だから、頑張るしかないんだけど。
「エリや。」
地下鉄の規則正しいリズムと、脳内に流れる心地良いリズム。ダメだわ。彼の声は中毒性が強い・・。
暗号のように見えてきた教科書のハングル文字が、もうほとんどダブって見えてた。
「・・・エリや~!。降りるんじゃないの?」
ぐいっと誰かに腕を掴まれ、教科書が膝から床に落ちた音で目が覚めた。
掴まれてる腕の先を見上げると、呆れたような顔で、同級生のイ・ヒョンギュが立っていた。
「早く拾えって。降りるんだろ?」
「あ~・・・うん。」
私は拾い上げた教科書をバックに押し込みながら、背の高いヒョンギュの後を追いかけた。
ホームに降り立つと、ヒョンギュが振り返る。
「・・なんか会うの久しぶりだけど・・。学校来てた?」
「あ~・・・うん。」
「あ~・・・うん。そればっかだな。」
笑って、ヒョンギュは駅の出口に向かって歩き出してた。
何かが・・無理だった訳じゃない。
何かがイヤだった訳じゃない。
それでも二人の中の熱が冷めてしまった事が、わかる時があった。
彼は別れようかって私に告げた。
私はなんて言ったっけ・・。『あ~・・・うん。』だったら笑えるわ。
でも、イヤだと、別れないでと、懇願しなかった事は覚えてる・・。
こうやって、偶然会ってしまうのは仕方のない事だ。
同じ大学校に通ってるんだから、避けられる事じゃない。
彼の笑顔は、こんな風にふいに現れた時でさえ、あの頃と変わらずに屈託なく、優しい。
おおらかな彼の性格のなせる業なのかな。
私はそういうのは苦手だ。
あの頃と同じような笑顔なんて、一生向けられないような気がしてた。
もうとっくに見えなくなった彼の背中を、いつものリュックを、それでも追いかけるように歩く。
これも仕方のない、避けられない事だ。
救いは学科が違うから、講義がかぶるって事がないって事。
まさか男と別れるたびに、大学校を変えてたら、お金も身ももたない・・。
講義を終え、今日は図書館に寄っていった方がいい。教授は調べさせる事が好きな生き物だわ。
私は、レッスンがない日はなるべく大学生になろうと思ってる。
大学生ってだけのエリ。それになれる時は、どっぷり浸かりたかった。
「エリ~。図書室寄ってく?その後、今日は遊べる?」
友達に聞かれ、「遊んでく!」と即答した。
カラオケ行こう。洋服見てよ。そんな会話が楽しい。
キャンパス内の、一艦湖(イルガムホ)・・広大な人口湖の前に出たところで、
「あれ。あそこにいるの。イ・ヒョンギュじゃない?」
友達が私の腕を軽く引っ張った。
湖を見渡せるように置かれたベンチで、コーヒーか何かを飲んでる彼がいた。
珍しいことに・・一人だ。
彼の周りには、いつでも友達がたくさんいるのに・・。
「・・・ほんとだ。今日はよく会うわ・・。」私はそう呟いた。
「なんで、あんたたちって別れちゃったんだろうね。私には未だにわからない。
どうにだって乗り越えられたような気がするのに・・。
・・もったいないわ。」
彼の顔を見ながらのしかめっ面。そんな友達を見て、私は笑った。
「ヒョンギュは・・・かっこいいもんね。もう新しい子がいるんじゃないのかな。」
「そうかな。聞かないけどね?狙ってる子はたくさんいるだろうけどさ。
・・・やり直せないの?」
「やり直さないわ。」
スンヒョンオッパの事は誰にも言ってない。言える話じゃない。
「寂しくなさそうなのは、エリだけに見えるわ。」
友達がヒョンギュを見て、うんうんと頷いてた。
「・・・遠回りしてく?」
気遣ってか私の顔を覗いて、友達が言う。
「そんな事しなくても、挨拶くらいして通れるわよ。」
軽い本心から出た言葉だったのに、人生には時々ドラマみたいな事が起こる。
地下鉄に乗ってた時から、ヒョンギュはそんなふうに思ってたのかな。
あなたはいつから、またそんなふうに私を見ていたんだろう。
「イ・ヒョンギュ!バイバイ!!」友達が言う。
彼が私達に気付いて、私の顔を、なんとも言えない顔で見たから。
その雰囲気を壊そうと、明るく挨拶をした友達。
ヒョンギュは立ち上がると、私の前に立った。
見上げて、私は言う。
「ヒョンギュ・・。どした?何か。私にある・・?」
「ちょっと話したいけど、ダメか?」
そんなこと言われたのは、別れてから初めての事だった。
思わず友達の顔を見ると、
「わかった。なんかあったら、電話して。」って友達は図書館の方へ歩いてく。
「何?なんか悩んでる事でもあった?
ってそんなの私に相談しないか。・・・なんの話し?」
「エリさ。もう誰か好きな人が出来たんだな・・。」
「なんで、そう思うの?」
「俺の顔見て、普通に笑えるようになってるの、自分で気づいてない?」
「笑ってた?」
「さっきは。俺に笑い返してた・・・。
ずっと、俺がそんな顔しても、エリは少し悲しい顔して笑ってたのに。
もう、なんでもないみたいに笑ったよ。おまえ。」
そんなの無理だって思ってたのに、ぜんぜん出来るようになってたのか私。
彼からそう言われて、自分に対しての分析力のなさに呆れる。
MP3からのオッパの声が、ヒョンギュに対してまで遠慮ない態度を取らせてたか。
やるな、オッパ~・・・ってそんなこと言ってる場合じゃなさそうだ。
「私ね、好きな人いるよ?ヒョンギュは?いないの?」
「・・・好きな人?・・・いる・・。」
「じゃ、もういいじゃん。」
「それが、エリでも?」
「え。」
「・・・ずっと思ってたんだ。なんであの時、別れようなんて言っちゃったんだろうって・・。
どうして忙しいエリの事、見守っててやれなかったんだろうって・・。
俺、ほんの少し我慢してればよかったのに、会えない事が多くなるのがイヤだったんだ。
それだけのことで別れようなんて言って、本当に後悔してる・・。
でも・・。おまえにしてみたら、もう遅いの?過去の話?」
「・・・ヒョンギュ・・。
あの時こうしてたら・・って話しは・・・。
今の私達にはよく聞こえても。あの時の私達には、あなたには、我慢が出来なかった事なんだよ。
だから、あの時別れようって言ったあなたの気持ちは、『それだけのことで』
って事じゃない。
苦しんで、苦しんで。もう私とは無理だって、その時思って出た言葉だわ。
間違わない方がいい・・・。」
「エリや・・。」
「ごめんね。私には過去の話だわ。
ヒョンギュの事、大好きだった。それはすごくいい思い出になっちゃってる。
私ね、あなたみたいに笑えるなんて事ないって思ってた。
でも、笑えてたんだね。それで、よくわかる。もう気持ちが移ってるんだって事が。
ヒョンギュも先に進んでよ。
いーっぱい。あなたの事見てる子がいるらしいよ。」
軽くエリが俺の肩を叩いた。
「じゃあね。」
そう言って、立ち去ってく後姿を見て思う。幸せな恋をしてるんだなって。
でも、どうしたらいい?
別れてから、大事だったって気づく事だってあるのに。
いなくなってから、大好きだったんだってわかる事だってあるのに・・。
そんな気持ちにもならないおまえが、俺をこんなに切なくさせてるって言うのに・・。
一度別れたら、同じ理由でまた同じ思いをするんだよ、ヒョンギュ。
私がYGを辞めないかぎり・・ね。
ありがとね。ヒョンギュ・・。
なるべく前を向いて歩いた。ヒョンギュが見てるのがわかるから。
その時、バックの中で着信が聞こえる。
見るとスンヒョンオッパからだった。
「ハイ。オッパー。どしたの?」
「仕事してるよ。エリ、どうしてるかと思って。」
「大学にいるよ。今から図書館行って、その後友達と遊ぶんだ。」
「・・何、その声のトーン。明るく取り繕ってんのわかるけど。
・・・なんかあった?」
「え?わかるの?すごいね。」
「何があった?」
「元彼に、また告られました。」
「・・・・。ジヨーン・・!!!」
『・・・あ?
は?!
なんで俺が?ちょっと!ヒョン!!ちょっとー!!!!』
「ちょっとオッパー!!私と話してるんじゃないの?」
「あ~。ごめん。エリさ。図書館も友達との約束も今日は断んな?」
「へ?!」
「今からジヨン君が迎えに行ってくれるから、俺のうちで、俺が仕事終わるまでずーっと待ってなよ。
・・・わかった?
じゃーな。」
ピロリン。
切れたよ。オッパも電話もキレたのか。
ジヨン君が迎えに行くってどこによ。どの車でよ。
てか、あの人私本当はすっごく苦手なんだけどー!!!!!
パニくってる最中に誰だかわかんない着信。
「も、もしもし・・・。」
「俺・・・。ジヨンだけど・・。G-Dragonだけど。」
「あ。はい。何も英語で言わなくてもわかりますけど・・・。」
「会社のすっげー・・・地味な車で行くから。ナンバー控えて。
大学校、どこ行ってんの?」
「建国大学校です。」
「え!あんた、すげーね。
じゃ、その近くに行ったらもっかいかけるから。
その辺ぶらぶらしててよ。」
「はい・・。申し訳ないです・・。」
「ほんとにな。」
・・・・オッパ~・・・・。あんたが迎えに来なさいよっ。
・・・to be continued
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