数年前、派遣会社で日雇いの仕事をしてい

ある日突然、派遣先の会社が無くなり、僕は仕事を失った
家賃も払えなくなり住んでいた部屋も引き払う事になった
途方に暮れた当時の僕は人生のどん底にいた

仕事と家を失った僕は、わずかな手持ちの金を頼りにネットカフェ生活を始める事になった
というかそうせざるを得ない状況だった
今までの自分の生活を後悔した

こうして僕は都内某所のネットカフェに住む事になった
ありがたい事にその店は、カレーライス食べ放題、シャワーも使い放題という環境だった
毎日毎食カレーライスだったが、贅沢は言ってられない状況だった

ネットカフェ生活から3日目、ふと目が覚めた時に両足に激しい痒みが襲って来た
なんだろうと思い、自分の足を見てみると、無数の赤い斑点が出来ていた
恐らく、何かの虫に噛まれたのだろう
それから数週間は体の強烈な痒みと闘う日々が続いた
その強烈な痒みとの格闘は、当時のネットカフェ生活で1番辛かった事だった

ネットカフェ生活も2週間が過ぎた頃、手持ちの金も無くなって来た
そこで僕は日雇いの仕事を始めた
キツい仕事とネットカフェ生活からのストレスで、鬱状態になっていた僕は、現実逃避をする様に、なけなしの金で買った安い酒を毎日の様に飲んでいた
このままホームレスになるか、山奥で自給自足をするか、悪事に手を染めるか…なんて事を考えていた
人間、切羽詰まると良からぬ事を考える生き物だ
自殺という選択も頭をよぎった程だ

当時の僕を救ってくれたのは好きな芸人さんが毎週放送している深夜ラジオだった
ラジオから聞こえる楽しい会話は、僕にとって唯一の心のよりどころであり、癒しだった
どん底だった僕を救ってくれた芸人さんには今でも感謝している

普段あまりテレビは見なかったが、何気なくテレビをつけた時、世界のカジノが紹介されている番組を見た
その時にふと、「そう言えば前にオンラインカジノを打った事があったなあ」
なんて事を思い出した

久しぶりにカジノサイトにログインし、残高を見てみると1万円だけ残高が入っていた
所持金も底をついて来ていたので、その1万円が神様からの贈り物の様に思えた

1万円を引き出す事も考えたが、久しぶりにカジノを打ってみようと考えた
1万円を元手に以前にも良く打っていたバカラをダメ元で適当に打ってみた
その時の手法は、自分の勘を信じてあとは祈るのみという手法だった
今考えると笑える打ち方だ
すると運が良かったのか、何か見えない力が働いたのか、3時間程で10万円まで残高が増えた
当時の事を思い出し、崖っぷちの人間に最後に見えない力が手を差し伸べてくれたのだと思った
そこで一旦打つのを辞めたのが良かった
以前の僕なら、どうせマグレで勝った金だからもう少し打とうと考えていただろう
ギャンブルは辞め時が難しい
なぜその時は打つのを辞められたのかわからないが、本当に良かったと思う

翌日、10万円にまで増えた残高を見て、このまま適当に打っていたら、せっかく増えた残高がゼロになると思った
そこから僕は徹底的に研究しようと考え、確率や過去の統計などを計算し、流れを見ながら、ほとんど寝ずに、最小金額で実際に打ち、勝ち負けを繰り返しながら研究に研究を重ねた
当時の事を思い出すと、よくあそこまで没頭出来たなと思う
我ながら限界まで追い込まれた人間の集中力は凄いなと感じた

そうして研究を重ねた結果、ある手法にたどりついた
それまで最小金額で打ち、研究を重ねたが、いよいよ金額を上げて打っても良いと思える手法にたどり着いた
そこから僕はベット額を上げて打って行った
すると2時間程で8万円の利益を上げる事が出来た
この時まだ、この手法には半信半疑だったが、その日は8万円の利益が出ていたからそこで打つのを辞め、翌日また同じ手法を試してみようと思った

翌日また同じ手法でバカラを打って行った
すると前日よりは時間は掛かったが、その日は3時間程で5万円の利益を上げる事が出来た
2日で13万円の利益
実働5時間
当時やっていた日雇いの仕事では考えられない利益を上げられていた

3日目も同じ手法で打って行った
1時間で3万円の利益が出たところで辞めた
当時の事は鮮明に覚えている
これで僕は普通の生活に戻れるかもしれない
ネットカフェ生活を終わらせる事が出来るかもしれないという希望が湧き上がって来た

本格的に打ち始めてから3日間
まだ半信半疑ではあるが、その手法は自信から確信出来るものへとなっていた

それから1ヶ月
ギャンブル打ちはせず、同じ手法でルール通り淡々とバカラを打った
勝ち負けを繰り返しながら確実に利益を出す事が出来ていた
研究から導き出した手法で1ヶ月で120万円の利益を上げる事が出来た

2ヶ月目は150万円、3ヶ月目は130万円と確実に利益を上げる事が出来ていた

カジノで得た利益で、僕はようやくネットカフェ生活を辞める事が出来ると思い、部屋を借りる為に不動産屋へ向かった
不動産屋で紹介される物件は、ネットカフェの生活を経験すると、どんな部屋でもいい部屋に思えてしまう
一刻も早く物件を決めてネットカフェ生活を辞めたかった僕は、最初に紹介された3件のうち1件を内見もせずに即決した
やっとこの生活から解放される

ネットカフェ生活最後の日は感慨深いものだった
毎日の様に食べていたカレーライスもこれで最後
僕は黙々とカレーライスを食べながら、今までの生活を思い出していた

いつも決まった時間に24時間コースの延長をしていた事もあり、店員は僕が何も言わなくてもいつも通り延長の手続きをしようとしていた
このやりとりを今まで何度しただろう
「あ、すみません延長しなくて大丈夫です」
僕が今日でこの店を出る事を店員に伝えると、その店員は少し驚いた様子だった
「今までありがとうございました」
あまり会話はせず、僕はその言葉に今までの感謝の気持ちを込めた

ネットカフェを出た僕はゆっくりと街並みを見ていた
ネットカフェにこもりっきりの生活
外食はほぼ無し
当時の食事は食べ放題のカレーライスか、コンビニの弁当だった
店の周りの街並みをこんなにゆっくり見る事は無かった

しばらく歩くと小さな居酒屋を見つけた
僕はその店に入り、久しぶりの生ビールと焼き鳥でこれからの生活への希望と今までの生活を振り返り1人で乾杯した
久しぶりの生ビールの味は格別だった

居酒屋を出た僕は、これから生活する新居へと向かった…

それから今日まで、カジノで確実に利益を出し続ける事が出来ている
海外旅行先でも、家にいても24時間いつでも出来るのがカジノの魅力のひとつ
負けるのも一瞬だが、勝つのも一瞬
僕の経験からではあるが少額の資金から最短で利益を最大にするにはカジノが1番早いと思う

何の取り柄も無かった僕がどん底から這い上がる事が出来た
希望さえあればいつだって人生はやり直せる
誰かがそんな事を言っていたのを思い出した


最後まで読んで頂きありがとうございました
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