「イスラム国」が、また殺害映像をネット上に公開しました。
その報道とは別に、リビア沖で難民の乗った船が転覆し、700人以上が死亡したとされる記事も載りました。
今日は、この2つの記事を扱います。
まず、「イスラム国」です。
「イスラム国」は19日、計30人をリビアで殺害した映像をネット上に公開しました。
この30人は、エチオピア人のキリスト教徒で、2グループあります。
「イスラム国」の主張はこうです。
「キリスト教徒は、イスラム教徒に改宗するか、人頭税を払わなければならない。」
とんでもないことです。
宗教が、またしても世界を分断するニュースです。
そして、転覆した船のニュース。
これもやはり、リビアで起きました。
リビア沖で、約700人を乗せていたとみられる難民船が転覆。
救助されたのは28人にとどまり、最悪の被害になる可能性があります。
彼らは、どこから、そして、何から逃れてきたのか、まだ明らかになっていません。
ただ、欧州を目指していたものと思われます。
このように地中海を渡り、欧州を目指す難民は、シリアやイラクの戦闘が激しくなると増えますが、最近は特に「イスラム国」が勢力を増すことで、急増しています。
転覆以外にも、病気や食糧不足から、船の中で死亡するケースも後を絶たず、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によると、今年だけで約900人が難民船で死亡したと報じています。
まだ4月なのに、900人が船の中で死亡とは、とんでもない数字です。
このような難民船に対する救助活動は、2013年から、イタリアが本格化してきました。
しかし、イタリアはご存じのように、財政難です。
結局、この救助活動も、財政難により2014年秋に、終了しました。
他に、お金を出せる国はないのでしょうか。
イタリア一国だけの問題ではないはずです。
イタリアが救助活動を終了した後は、EUの専門機関が監視と救助を手がけているそうですが、対象範囲が限られており、効果は限定的なのだそうです。
問題は、このような難民船に紛れてテロリストもEUに流入していること。
ぐちゃぐちゃの状況です。
宗教が世界を分断し、難民は急増する。
その難民は、海を渡りきれずに、死亡する。
この悪循環は、EUだけがお金を出して解決する問題ではないと感じました。