思い出す…
11月に産まれたね でもお家は雪国
おじいちゃんが… ずっと 長男の事を楽しみにしていた おじいちゃんが…
「暖かくなってから… 春になってから 帰ってくればいい」って言ってくれて
私は いい気になって ４ヶ月も実家にいた
そして 年号が変わった…
雪消えの頃 戻った…
そんな風に気遣ってくれた おじいちゃんも 逝ってしまった
思い出す…
私が 働きだす…
保育園 嫌がったね… ごめんね…って思いながら 泣いてる貴方 おいていった…
思い出す…
小学校の入学式 私も初めてで、張り切った
可愛かったね
思い出す…
少し遅い 桜 観に行ったね 寒かったね
思い出す…
はにかんだ顔の 中学の入学式 家の前で写真撮ったね
２年の春に家で始めての ワンコ来たね
小さかったワンコ…もう１４才 おじいちゃんワンコだよ
中学でバスケを始めた頃は 背が低くて…
でも、３年生になって 進学の三者面談で 私が教室の前で まってた
廊下の向こうから きた 貴方… 背が高くって
いつのまに こんなに背が高くなってたのかって…
いつのまに こんなに男前になってたのかって…
思い出す…
高校に入学して バスケ部に入って…
「中学のバスケとは違う」って
「やめたい」って言って…熱中症で倒れてしまった…
バスケをやめて…貴方はかわった…
知らない人始めての人には 警戒するようになってたって聞いた…
思い出す…
大学の入学式… 桜満開だったね…でも… いやな写真に…
消去したよ…
思い出す…
ずっと 貴方が悩んでいたはずなのに 大丈夫なんて 勝手に…思ってた
貴方の話も聞くこともせず…
ごめんね 怖くて 話を聞かなかった…んだね私
だって まさか そんな風におもうなんて……
私のせいだね
おもいだしたくない でも 忘れる事も…できるわけない…
貴方がいなくなった ５月…
どうしていいかわからなくなった… 春…
ずっと ずっと おもっている……
側にいるなら… わかるように サインちょうだい…
もうすぐ 命日…
私の一年の始まりは…５月3日から また一年が始まる…
春はざわざわ