「ようお兄様、元気かよ?」
フランスの家につくと、赤い目を更に赤くしたプロイセンが待っていた。
「ん。おまえはげんきそうだな。」
『おう!俺様はいつでも元気だぜ!』
嘘。
そんなに声枯らせて目ェ腫らして、元気な訳ない。
『しっかしスペインってば、どれだけ忙しーんだか』
『全くだぜ。自分の子分を俺様たちに預けるなんてなぁ』
こいつらはどうしてこんなにも嘘が下手なんだ。
でも、きっと俺の嘘も下手。
(夕飯はなにがいい?)
(俺様が特製フルコースをふるまってやるぜー!)
(えーやだ、フレンチがいい)
(ふふ、merciロマーノ。お兄さんが何でも作ってあげる)
(パスタがいいぞコノヤロー)
(まじかよ!じゃがいもだぜ?ヴルストだぜ?!)
(ちょっとうるさいよ、静かに待ってて)
(どうせじゃがいもはぐちゃぐちゃなんだろ?そんなもん食えるかよ)
(……………大丈夫…俺様かっこいい…ダイジョウブ…)
上滑りな会話もそれなりに弾んだ。
そこにいつも混じっていた声を思い出して、しばし会話は中断されたけれど。
つ、続く…