「さやけき月に風のおと添ひて、虫の音たえだえに物がなしき」と樋口一葉は小説「十三夜」で書いていますが・・・


「十三夜」は私にも物悲しい思い出の曲です。


茶道の先生が、この歌がお好きで、新年会にはいつも歌ってくれました。


母と同じぐらいのお年で、私と同じ年の息子さんがいらっしゃいました。


とても可愛がってくださって・・・


お手前だけではなく、作法もきっちり教えてくださいました。


「菜種梅雨」なんて言葉を教えてくれたのもこの先生でした。


先生も母も、今生きていればしっかり教えてもらえるのに・・・残念です。


今夜は月を見て、「十三夜」を聞きながら、二人を偲ぶことにいたしましょう。


今夜の月はそんな気持ちに沿うようにちょっと雲に包まれています。


「月見のお茶」でも一服あればなお好いのでしょうが・・・


私は今日すでに一服いただいてきたので・・・ごめんなさい。



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作詩 石松秋二  作曲 長津義司  昭和16年


1 河岸の柳の 行きずりに 
  ふと見合せる 顔と顔 
  立止まり 懐しいやら 
  嬉しやら 青い月夜の 
  十三夜


2 夢の昔よ 別れては   
  面影ばかり 遠い人   
  話すにも 何から話す 
  振袖を 抱いて泣きたい 
  十三夜


3 空を千鳥が 飛んでいる 
  今更泣いて なんとしょう 
  さよならと こよない言葉 
  かけました 青い月夜の 
  十三夜