「すかんぽの咲くころ」 という歌がある。
作詞:北原白秋
作曲:山田耕筰
土手のすかんぽ ジャワさらさ
昼はほたるが ねんねする
ぼくら小学 6年生
けさも通って またもどる
すかんぽ すかんぽ川のふち
夏が来た来た ドレミファソ
歌の会でこの歌を歌った折、「ジャワ更紗」ってどんなのかという質問があった。
「ジャワ更紗」とは、インドネシアで生産される植物染料によるろうけつ染めのことである。
そんな答えがあった。
それは私もわかっているが、すかんぽとジャワ更紗のイメージが結びつかなかった。
すかんぽのことを私の育ったところでは、いたどりと呼んでいた。
いま庭の「ふいりいたどり」が私の親指よりもズット太い茎を、1メートル以上もあるぐらいに伸ばしている。
新芽の赤がきれいで、斑入りの葉も美しいのに
「この太さだと、ずいぶん食べ出があるだろう。」などと、食の対象としてみてしまう自分が少しばかり情けない。
ちょっと先の道端には野生のいたどりが茎を伸ばしてきていた。
調べてみると、いたどりのことをすかんぽというが、スイバのこともすかんぽというと書いてある。
すいばは、同じ頃、赤くきれいな穂先に見とれることがある雑草。
いたどりの白い花ではイメージがわかなかったが、これならジャワ更紗のようで、納得できる。
手折るとポンと折れて、中は空洞。
皮をむいて、かじるとすっぱかった。
中学校へ通う道は、川に沿った土手の道をわざわざ通った。
いたどりやへびいちごが生えていた。
手折ってかじろうと手を伸ばすと、蛍どころか、嫌いなものがいたりして、ぎょっとした思い出がある。