男たちの元へ歩いて行った勇志に向って、大我は叫んだ。
「勇志、ぜってーやめた方がいいって!」
勇志は数々のケンカに巻き込まれ、常人以上のケンカ作法を覚えていた。
あいつが本気を出せば、どうなることかは大我達はよく知っていた。
勇志は男たちの元へ近ずき、一睨みしながら、こう言い放った。
「嫌がってるんで、離してやってもらえないですか?」
その場の空気が凍りついた。敬語で言えばなんでもなると思ったのか、と大我は心の中でツッコんだ。
「あ?何ナメたこといってんの?」
やはり、挑発しているようにしか見えないだろう。
しかし、勇志はおかまいなしに飛ばしていく。
「だから、いやがってるんで、や・め・て・も・ら・え・ま・す?」
相手は完全にキレた。
「ざけんじゃねーぞ、コラァッ!」
と言うと、あいての一人は勇志に向って右ストレートを放った。
「!」
それを軽々とよけた勇志は、相手一人の足をひっかけ転ばせ、そして殴ってきた男も転ばせると、ナンパされた女の手を握り、一目散に逃げた。
「あっ、おい、勇志!」
おいてけぼりをくらった大我とみかは、口をあけたまま、勇志を見送るしかなかった。
女と一緒に逃げた勇志は、商店街の方へと走り、人通りの少ない道へ入った。
「ハア・・・ハア・・・逃げ切ったか・・・」
「おい、大丈夫か?」
女に聞いたら、彼女はいきなり、勇志を押しのけ、こう言い放った。
「ちょっと、余計なことしないでよ!」
「・・・・へ?」
そういうと、彼女は走り去って行った。
なんで・・・?
勇志はなぜ怒鳴られたかを、まったく理解できなかった。
その後、勇志は始業式がちょうど終わったころに、学校に着いた。
「勇志、ずいぶん遅かったな。」
「ああ、助けてやったのに、なんか怒鳴られちまったぜ。」
「はあ?どういうことだよ?」
俺が知るかよと、小さくつぶやくと、黙り込んでしまった。
(俺、なんか悪いことしたのか・・・?)
そんなことを考えてると、先生が教室に入ってきた。
「おい、お前ら席つけよ~~」
そんなことを言いながら、先生はだれかを教室にいれた。
そこで、勇志は目を見張った。
「今日は転校生を紹介するぞ~~」
「赤城唯華です、よろしくお願いします。」
朝に助けた女だった!
「お前!」 「あー、あんたは!」
同時に声をあげてしまった。
この日から、勇志は今年何かが起こると感じ始めていたかもしれない・・・
2話目やっと書き終えました。
今回でてきた赤城唯華は、今後どのようなことにつながっていくのか。
3話にご期待ください。
それでは、また今度!