最近特に自民党の件や戦後80年、中国の侵略脅威やらと何かと世間がざわざわしていて、何をどう理解したらよいのか変なざわつきに心が休まらない感じがしています。まあすべて踏まえて生活するのは無理なので、自分の気持ちにすんなり入ってくるものを記述残してみようと思います。
榊原英資氏 1941年生まれ 青山学院大学教授
東京大学、大蔵省、ミシガン大学博士号、ハーバード大学准教授、大蔵省国際金融局長、財務官などという経歴の持ち主で、TVでもお目にかかっている人物でした。
本の内容が現在の日本の状況と一致しているところが多いので、わかりやすかったです。
第一章…どこまでも広がる反知性的行動
・現在のマスコミに対してのつぶせ的な流れ、・安倍政権での道徳教育の見識、・『世の中に絶対に正しい』ことなどないという説、
国も企業も個人もこの先、“グローバルな世界で生きていくためには、多種多様な価値観と共存できなくてはなりません。”
第2章 幼児化する指導層(1)政治家
政治の世界の派閥やら数の論理は闇の中で私たちには計り知れない部分があるのだとは思いますが、究極幼児化しない方法は、
“官僚を使わないことが政治主導なのではない”と語っています。
第3章 幼児化する指導層 (2)企業経営者
株主より怖いモンスターから始まり、企業に対するクレイマー、など多々あり、究極、
“能力を評価する社会は流動性が高い”、として今までの年功序列制度の膠着感を懸念していました。
第4章 いつも何かがおかしい教育論議
やはり日本の英語力の弱さに注目していました。海外のアジア諸国から随分と遅れてしまいましたね。
いくら翻訳機能があっても他国の文化や思想を理解するには、海外で学ぶことの重要性などを解いていました。
第5章 大人になれない中高年
“グローバリゼーションが生んだ下流老人”と記していて 現在の詐欺にもつながる自己責任型の社会、
“大人になることは、孤独を知ることとして独立することの重要性” を説いていますね。
第6章 地方活性化のための発想転換
“小泉政権のビジョンを欠いた列島改造、から始まり地方創生や中央官庁と自治体の人材交流の利点、教育と医療での地方活性化”として、広大な敷地を利用した発想の転換もアリなのだなあと思いました。
第7章 大人はどう考えるか
最後の章はとても身近な解説で、ネットによる過剰反応、移民問題、図書館を知的な空間づくりに活用、最後のことばとして、
“人的、物的も含め流動性が失われていけば、人々のコミュニティーは同質化してしまう、それは非常に危険な兆候です。
誰もが気付かないうちに精神的に退化してしまうでしょう。一部の世襲政治家、クレイマー、思考停止の経営者、モンスターペアレント…。日本は幼児化した大人たちに乗っ取られてしまいそうです。日本人同士がそんなことで悩んでいる間に世界から取り残されることを、今私は危惧しています。”
と締めくくっています。 私は参考になる内容でした。


















