逮捕の翌日、同房者や掲示物から一日の流れを学んだ。
◆起床から朝食
6:30~7:00
担当官の掛け声と共に留置所の電気が点灯。
ただし点灯と言っても留置所内は常に薄明かりが点いている。
真っ暗で寝ることに慣れている人はかなり苦痛な程だ。
また担当官は2時限毎に交替する。中には居眠をする者もいて、その時は外側からガンガン扉を叩きそれで目が覚める事もある。
起床後は布団を所定の場所に戻す。
次に掃除。便所掃除、掃除機掛け、壁の拭き掃除。
掃除だけで無いが、あらゆる事に檻毎のルールがあり新人は便所掃除が決まりだった。
勿論俺は便所掃除担当。
便所掃除と言っても家庭で使うようなブラシ等ではなく、雑巾一枚で便器の中から便所の壁まで拭く。
まあ、繊細とは無縁の俺は二日で慣れた。
掃除が終了すると歯磨き。4人づつ、また各部屋順で行う。
その後7時になると朝食となる。
朝食が配られる少し前に畳一畳の御座か食器口から入れられる。その上に食事を置き周りを囲むように食事をとる。
朝食は食パン四枚。給食である様なジャム(味は日替)にマーガリン。
小型パックのジュースに白湯。
加えて日替りのおかづ。おかづは二口程度のスパゲッティにもう一品。
スパゲッティはケチャップ味や黒胡椒と塩で和えたような味の物だったり。
もう一品は餃子や焼売、ナゲットやウィンナーなどが一個。
おかづをパンに挟んだり、ソースと醤油が回ってくるのでパンに垂らして食べたりした。
毎日同じ味では飽きが来るのだ。
それら全ての受け渡しは食器口から。
食事中は皆無言。10~15分程度で終わる。
朝食だけでなく、この後綴る昼食、夕食に至る三食共にそれなりの品が与えられる。
ただし美味とはいかないが…。
その後8時まではフリータイム。
留置所は前述の通りランク的には下位。
故に同房者との会話や檻の中での行動までは制限されない。
俺はそのフリータイム中30分位檻の中をぐるぐる回って歩いていたものだ。
あの中では運動不足になる。