静岡県と山梨県の両県にまたがっている富士山。
ユネスコの世界遺産には「富士山・信仰の対象と芸術の
源泉」という名称で登録されている。
日本において古くから厚く崇拝され、また、芸術のモチ
ーフとなってきたことが世界遺産の登録に値するものと
して評価されたのだ。
富士山がある場所から考えると、富士山は「静岡と山梨
の管轄下にある」ということができそうだが、本当のこ
とをいうと、富士山の8合9勺(3360メートル)か
ら上は「私有地」である。
実は、頂上は富士山本宮浅間(せんげん)大社の「持ち
物」なのだ。
これは、いわゆる富士山の山頂の所有権問題から出てき
たもので、昭和23年、富士山を信仰の対象とする浅間
大社が、徳川家康が山頂の本宮支配を認めたことを示す
古文書などをその証拠として、国に対し、無償譲渡を申
請したことにはじまる。
それによって、昭和49年、最高裁が一部国有地を除く
8合目以上を浅間大社の所有地と認定したのだが、県境
を確定できないことなどが原因となって登記が進まずに
いた。
事態が動いたのはそれから30年後の平成16年のこと
で、県境問題よりも登記が優先するということで調整が
なされ、一部の国有地を除く大半を浅間大社の私有地と
する国の譲渡処分書が交わされたのだった。
このことにより、法的には「富士山の山頂は浅間大社の
もの」となった。
しかし、県境の確定作業が進んでいないことなどから、
登記はいまだに進んでいない。
静岡県・山梨県・浅間大社のみつどもえの争いが続いて
いるのだ。