▶コロンブスが航海を何度も成功させた要因は「風」に あった。 | ぐーすけとりきのブログ

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イタリアの航海者で、「新大陸」の発見者クリストファ
ー・コロンブス。

1492年、スペイン女王・イザベルの援助を受けてア
ジアを目指し、大西洋を横断、サンサルバドル島へ至っ
た。

その後も、三度もの航海によって中央アメリカ沿岸の地
理を明らかにするが、同地をインドの一部と信じたまま
この世を去っている。

さて、現在では世界の大洋を航海することは日常行われ
ていることだが、コロンブスの生きた近世は航海技術も
まさに「人頼み」だ。

なぜ、コロンブスは無事に故郷のヨーロッパへ戻ること
ができたのであろうか?

コロンブスが航海を何度も成功させた要因は「風」にあ
る。

地上を吹く風は、大きく分けると、年間を通してほぼ同
じ方向へ吹いている「恒常風」と、夏と冬とで風向きが
変化する「季節風」の二つがある。後者は英語でモンス
ーンと呼ばれているので、耳にしたことがある方もいる
だろう。

そして、コロンブスが航海で用いたのが恒常風の「貿易
風」と「偏西風」であった。

彼が出港地としたパロス港(パロス・デ・ラ・フロンテ
ラ)はスペイン南部にあるが、同国が位置する北緯40
度付近では常に西風が吹いている。これでは船を西へ進
ませることは困難を極める。

そこでコロンブスは、アフリカ大陸の西に位置するカナ
リア諸島までいったん南下し、そこから東風を背にして
西へ向かったのである。この東風が、現在貿易風と呼ば
れるものである。

貿易風という名前は、英語の「trade wind」の訳である
が、「trade」のそもそもの意味は「通り道」で、「ほぼ
一定の方向から吹く風」の意味でそのように呼ばれたと
されている。

さて、コロンブスの帰り道だが、今度は西風を利用すれ
ばスペインに戻ることができる。

新大陸を出港した彼らは、北緯40度付近まで上がり、
西風を使って無事にスペインへ戻ってきたのである。こ
の、コロンブスが帰り道に利用した風が「偏西風」であ
った。

ちなみに、貿易風と偏西風のあいだには、無風地帯と呼
べるほど風が吹かない場所がある。当時の航海者たちが
もっとも恐れたことの一つが、この無風地帯に迷い込み
船が動かなくなることであったと伝わる。