▶「〇〇の調べでわかった」とは何がどうわかったのか? | ぐーすけとりきのブログ

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新聞記事には、記事の前に「前文」(リード)と呼ばれ
る導入文が付されている。

この文章をよく読むと、文末の記述が微妙に違っている
ことに気づく。

「〇〇署の調べでわかった」
「〇〇新聞の調べでわかった」
「関係者の話でわかった」
「関係者の話などでわかった」
「~が〇日、わかった」
などである。

この表現のうち、「〇〇署の調べでわかった」という表
記がある場合は、実はその新聞社の特ダネのときだ。

ジャーナリストである北村肇氏の『新聞記事がわかる技
術』(講談社)によると、この表現方法の場合は、「警
察が公表していない事実を、私の新聞だけがつかみまし
た」とアピールしていることになるという。

本当ならば、「〇〇署の警察官から聞いた」という表現
が正確なのだろうが、公務員である警察官には守秘義務
があるため、「〇〇氏から聞いた」というように、正確
に書くことができない。

そのため、最小限にぼかした結果が、「〇〇署の調べで
わかった」という書き方になったのだ。

では、それ以外の表現はどのようなときに使うのか?

「〇〇新聞の調べでわかった」というときは、捜査当局
などとは関係なく、新聞社が独自に調べた記事。これも
先ほどとは違う意味で特ダネだ。ただし、検事から取っ
たネタのときも、検事の素性がバレないようにするため
あえてこの表現を使うこともある。

「関係者の話でわかった」のときは、事件の当事者に近
い人物からの証言によって構成される記事のとき。

「関係者の話などでわかった」は、独自につかんだ情報
を捜査当局の幹部に話して確認し、ウラが取れたときに
使う。

最後の「~が〇日、わかった」は省庁関係の記事のとき
に多い。また、他紙に記事をスッパ抜かれたときに、〇
〇新聞の調べでわかった」と書くわけにはいかないので
この表現を使うという。

リード文一つで、新聞記者がどれだけ独自にネタを拾っ
てきたかどうかが、わかるのである。