●2019年9月15日(日)●
BAY CAMP2019
神奈川県・川崎市東扇島東公園・特設会場
DAY2: 2019年9月15日(日)
OPEN 12:00 / START 13:30 / CLOSE 5:00(予定)オールナイト開催
雨天決行
川崎の湾岸地帯で行われた野外フェスに行ってきました。
特に目当てがあったわけではないのですが、ZAZEN BOYS含めて旬なアーティストが出演するし、オールナイトで面白そうだし、何より東京では成立しなさそうな9000円という安価で豪華アーティスト。
人生初の野外フェスの経験で楽しみでもあったのですが、深夜帯になり、野外ならではの洗礼を受ける事になりました…。
15時頃にノソノソと到着。ビールを1杯飲んでから、最初は緩い気持ちでthe band apartから参戦した。
ここからは毎度おなじみの語り口調でライブレポートさせていただきます。
★the band apart 15:50~
高校生の頃に聞いていたが、もう10年ぐらい動向を追っていない。まだ活動していた事に驚き。
当時と変わらず、いや、当時以上に練りこまれた楽曲は今でも素晴らしく、今も衰えたなんて事が一切ないサウンドだった。音に身体を任せる事が楽しくなるような音で最高だ。
★tricot 18:05~
事前に予習して興味を持ったガールズバンド。少し変拍子を組み込んだオルタナティヴなサウンドは「赤い公園」を思わせる。
ライブでもそのテクニカルな一面は見られた。リズム隊のしっかりした演奏に、ガールズバンドは楽器が下手という先入観を見事に打ち砕かれた。
新曲も含めたセットリストも名曲揃いで、あっという間に時間が過ぎてしまった。
★浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLS 18:50~
こちらも事前に予習。浅井健一を追っていたのはSHERBETSまで。それもSHERBETSは肌に合わずあまり聞かなかった。
私にとって、未だに浅井健一はブランキーの人なのであるが、その期待を裏切らないロックンロールの演奏だった。
MCで知ったのだが、ナンバーガールの中尾憲太郎がベースをやってると聞いて驚いた。ドラムの瞳さんは知らない人だったが、男性顔負けの力強いドラミングだ。
最初はハイテンポの曲で飛ばして、中盤は少し落ち着いた曲。後半はブランキーの名曲「赤いタンバリン」で会場が熱狂。
年齢のよる老化などは一切感じないベンジー。ロックンロール!
★MONO NO AWARE 19:40~
そんなに好みのバンドではなかったのだが、このイベントの存在を知る前からサブスクで聞いた事もあったので、どんなものかと拝見。
独特のテンションとグルーヴ感で観客を引き付けており、楽曲の数々は音源で聴くよりも魅力的に感じた。
★ZAZEN BOYS 20:25~
今回のフェスのトリとも言えるのではないかと、個人的に考えていたZAZEN BOYS。しかしステージを移動していたら、良い場所は全て取られてしまっており、端の方のかなり悪い位置で見る事になってしまった。
見えづらいのは仕方ないとして、左右のスピーカーの真ん中には位置したかった。片側のスピーカーの前だったため、音が大きいのと音のバランスが悪くて敵わなかった(笑)。
セットリストも名曲「ポテトサラダ」を簡略化した内容で演奏したり、聞きたい曲が聴けなかったという点で消化不良に終わった。
勿論、個人的な好みの話なので、同じライブを見た人の中でも満足した人は多数いただろう。
独特なMCと世界観は、やはりZAZEN以外の何物でもなかった。
★CHAI 21:55~
ZAZENとCHAIの間のサンボマスターも少しだけ見たがかなり勢いのあるライブで、観客も、ここ一番とばかりに盛り上がっていた。
私が中高生の頃に流行っていたバンドが、未だに勢いが落ちていないのは単純にすごい事だと思う。
そしてCHAI。国内でSLITSに影響されたような特異なポストロックをキャッチーに演奏しており、音源の時点で興味があった。
ライブはメンバーのダンスがカッチリしていなかったり、全体的に仕上がりが緩いところがありつつも、その素人感が魅力に繋がる部分があった。
こう言っては申し訳ないがメンバーの女性は凄く綺麗なわけではないのだが、ファッションアイコン的な魅力があった。
2ndの曲を中心に演奏しており、その渋めの音楽性は日本よりも海外のファンをターゲットにしているようにも思えた。
★THE BLUE HERB 23:25~
個人的にZAZENに続くもう一つのトリバンド。ちなみに1つ前のキュウソネコカミは雨の中だったが、フェス常連のバンドらしく観客を暴動の渦に巻き込んでいた。
そして前述したが、雨が強くなってきたのがこの辺りだ。パラパラなんてものではなく、結構しっかりとした雨が降っていた。
しかし野外フェス故に退避場所が少なく、レインコートを被ってライブを見るしかなかった。一応、屋根のあるベンチのような場所があったのだが、そこもギュウ詰めで後から行った人は入れないような状況だった。
またブルーハーブの直前に北海道のNOT WONKのライブを数曲見させていただいた。北海道らしい叙情性と衝動にあふれたロックで、THE BLUE HERBのライブがなければ最後まで見たかった。
前置きが長くなったが、こちらも北海道が誇るHIP HOPグループ、ブルーハーブのライブレポートだ。
広いステージ内に、トラックを手がけるONOと、MCのBOSSの2人だけ。
普通なら少し寂しく感じるステージだが、大御所である彼らにとってそのステージは広すぎないように感じた。
BOSSはそのステージをしっかりと端から端まで歩き、観客にメッセージを伝えた。
時事的なネタも含めて、よく即興でこれだけの歌詞(リリック?)が思いつくものだと関心した。
音源化している名曲に、トラックや歌詞にアレンジを入れて語る様は、まさにライブ。音源の再生とは意味が違うのだ。
ここまで芯の通ったライブは久しぶりに体験した。素晴らしきブルーハーブ。
★THE SIRUP 24:10~
体力は限界に近かったが、今をときめくTHE SIRUPを見逃すわけにはいかないと思って参戦した。
かなりクールなステージングで、女性客の黄色い声も聞こえてきた。
音源以上の歌声を響かせるKYOtaroは生のライブでもこれだけ歌が上手いものかと感動。
空気がTHE SIRUPの色に染まっていく感じがしたし、同性から見ても素直にかっこいいと思えるステージングだった。
名曲連発で大満足のステージだった。
★the telephones 24:55~
正直、あまり好きなバンドではなかったのだが、雨に濡れながら縮こまってても寒いだけだし、テンションがハイになっていたの見る事にした。
勢いだけのバンドというイメージもあったが、その勢いで会場をしっかりと盛り上げていたのだから、これも才能と実力のなせる技なのかもしれない。
音源を聴いた時よりも好きになった。
★神聖かまってちゃん 3:10~
こちらもフェス常連バンド。「ロックンロールは鳴り止まない」で話題になったのも、かなり昔の事のように感じる。
やや金太郎飴に感じられるところもあるが、楽曲はどれも良い。特にシングル曲なんかはどれも強烈なキラーチューンだ。
ネタバンドのように思われているが、単純に曲が良い事で評価されているバンドだと思った。昨今のアルバムも注目のバンドだ。
★TAKKYU ISHINO 4:00~
卓球のDJなんて楽しみじゃないわけがないのだが、それにしても雨が過過ぎた。ずぶ濡れになりながらぬかるんだ地面の上で踊ろうなんてのは、到底無理があった。
それでも卓球は最悪の環境の中で最高のパフォーマンスをしてくれて、いやがおうにもテンションが上がるテクノの音塊に、ただノル事で応えるしかなかった。
【総評】
旬のアーティスト、それも楽曲がしっかりしたアーティストを1度に沢山見れる、かなりお得なイベントだと思った。
野外フェスだが、フジロックみたいな山奥ではなく、川崎駅からシャトルバスが出ているため交通費的な意味でのコストパフォーマンスもよく感じた(笑)。
反面、あまり遠くにきたという感じはなく、野外フェスならではの新鮮味はそこまで感じなかった。
またBAYCAMP自体がオールナイトイベントが初めてという事もあったのだろうが、雨が激しかったにもかかわらず、明確な退避場所や、救援の対応などがしっかりしていない印象だった。
あれでは体を壊したり、最悪死人が出るのではないかと思えるような過酷さだった。
帰りのシャトルバスも1時間程並んで乗れるような始末。タクシーも同じく並んでいるので、雨で体はビショビショだったが陸の孤島状態で家に帰れない。
久々に生命の危機を感じたので来年以降は改善されたら良いなと思った。