・V.A.「Nobody’s Fault Sulais Omnibus Vol.1」(1989)

POISON ARTSのメンバーによって作られたレーベル、Slice Recordsよりリリースされたレーベルコンピ。これが80’s METAL CORE(否メタル)を収録しまくった、かなり強烈なオムニバスとなっているのだ。

先ずはレーベルの筆頭、POISON ARTSから始まる。「コンバ~ット」の出だしで、もうアウト!!(笑)個人的にCD化されたものを聴きまくっていたけれど、それでも改めてLPで聴くと新しい興奮が生まれる!!「コンバーット、ボディーアターック!ウッ!」。そう、この「ウッ」なのである(笑)。私のツボを完璧に突いたバンド、POISON ARTS。更に「Fihting Solder」で狂気のように盛り上がり、1st ソノシートに収録されてた「You All Comin’」の再録で三度興奮し、最後は「Over Head」。ここまで完璧なのである。

次のClodもいわゆるメタルコアサウンドで、ストーリー性のある歌詞とドラマティックな曲展開は今のヴィジュアル系メタルの先駆けと言える音である。初期のX JAPANとかにも近いかも?POISON ARTSの後では少しインパクト不足だが…。

にら子供はカルト人気を誇り、現在でもカセットやビデオはプレミアになっているバンド。個性的でユーモア溢れる歌詞と、派手な風貌が目を引く。曲は割と普通のジャパニーズハードコア(笑)。

そしてB面。もうROSE ROSEがオーラ出まくり。今のROSE ROSEも悪くはないけれど、極初期のROSE ROSEは尖ってた。畳み掛けるような1、2曲目もたまらないが、刻みまくりの「RESULTION」で大興奮。最後はHERESYの「BREAK THE CONNECTION」のカヴァー。流れが完璧である。

次はCRISIS KILL。POISON ARTSの影響を受けたであろう、ドラマティックな曲展開のメタルコア。中々緊張感のある演奏で、ROSE ROSEに負けず劣らず、テンションを維持し続ける。

最後にまつじ。良い意味で典型的なジャパニーズハードコアライクな曲調で、割と明るめ。今までの緊張感を良い意味で解してくれる、意外にもオムニバスの締めに良い存在なのかもしれない。

以上のように今でもCD化されていないマイナーバンドの多いオムニバスだが、80年代のメタルコアを知る上で最重要なオムニバスだと言っても過言ではないと思う。日本にも無名でありながら、これだけ個性的で、かつ強烈なバンド達がいた。このコンピレーションはそれを如実に証明している。

インナーに「オムニバスのVol1~ず~っとやります」と書いてありながら、第二弾が出なかったのが悲しいが、その時々の事情があったのだろう…。