・COMPLETE DEATH LIVE


80年代ジャパニーズハードコアの空気をそのまま封じ込めたと言える名ビデオと言えるのではないか?同じバンドのライブ映像とは言え、その内容の良し悪しは勿論あると思うのだが、このビデオは全てのバンドの映像が生き生きとしており、まさに捨てシーンのない名盤となっている。音質もこの時代のVHSとしては良好だ。


まずはex-GHOULのSQUADが登場。ビデオの最初から片腕のパンクスMASAMIが登場し、GHOUL時代の名曲「Oi!」も名演。一気にこのビデオの世界に鑑賞者を引き込む。


そして早くも次のPOISON ARTSで興奮はピークに達する!!80年代メタルコア史上に残る名曲「KICK ROCK」で始まり、「CRAZE FOR STRUGGLE」等の名曲連発。Aちゃんもこの頃は髪もフサフサで、自らの歌唱に酔いしれるようなナルシスティックなパフォーマンスもかっこいい。スタジオ音源より前のめり気味の演奏も最高だ。


その後の鉄アレイはすごい貫禄だ。ボーカルのBUTAMANは客席サイドからふてぶてしく登場。「おらおら」と威嚇しながらステージに立つ姿は絵に描いたようなVIOLENCEだ。ミドルテンポの曲からスピードを上げてテンションをぶちあげていく。


次に出てきたDEATH SIDEは現FORWARDのISHIYA(VO)や、パンク界の名ギタリスト、チェルシー(G)が在籍しているバンドだ。当時の名物とも言えたISHIYAの馬鹿デカイモヒカンで暴れ狂う姿は圧巻。チェルシーのギターはこの頃には既に超人じみており、そのプレイだけでも圧倒される。


次はSOB。有名なバンドだが、このビデオの対バンで見るとスケートスラッシュっぽいファッションは面子の中では浮いており、当時は特異な立ち位置だったのかな?と思わせられる。名曲が躍動感を持ってライブ演奏されている。


今度のFINAL BOMBSは日本で2ndの頃のDISCHARGEのスタイルで演奏する、これこそまさに特異。それまで出てきたバンドに比べれば派手さに欠けるし、多少荒削りな演奏だが、それがまたいい。渋い!!


次は当時大人気を誇ったOUTO。日本のスラッシュの源流とも言えるサウンドだろう。


そして最後は当時スピードコアとして、USハードコアの音を体現したSYSTEMATIC DEATH。再結成も果たしているが、さすがに若い時期のライブだけあって、ボーカルのシゲルの暴れ具合が半端ない。当時の名曲の連発でカラッと締めてくれました。