~昼休み・高等部三階・生活科~ 2

え、遠慮しておくよ。ところで、今日の昼までに全てのテストが返ってきたよね。あゆみの点数は?

訊ねると、彼女は綺麗な曲を描いた胸を張りました。

国語が七十九点。

数学が八十点。

生物が六十五点。

地理が八十一点。

選択教科Aが六十点。

選択教科Bが七十点。

情報が九十五点。

英語が六十三点。

合計は五百九十三点。

平均は七十四点。

ちゃんと、何回も計算したもん。

これで、うねうね大臣はさよぉ~なら~ってやつだね

マ……マジか

思い返せば、夏休み前に全ての科目の評定が『2』であったことを思い出させます。

それから考えれば、信じられないほどの変貌を遂げている様子。

同時に、真田が苦虫を噛み潰したような表情をしました。

う、嘘でしょ? むぅ~。分かったよ。明日から、香君から僕のクラスに来てもらうからね

いいよ~♪

あゆみの無邪気な返事は、真田の皮肉を無効化します。

すると、真田が自分の白髪を掻き、僕に視線を向けました。

それにしても、香君も大丈夫なの? うねうね女王に負けているかもしれないよ?

そう言われ、僕は不安を隠しきれません。

まさか、ここまでレベルが上がっていると思うと、涙が出てきそうです。

すると、破魔が眼鏡を輝かせて口を出しました。

その点は心配には及びません。香は

国語が八十七点。

数学が七十一点。

生物が八十一点。

地理が八十三点。

選択教科Aが七十一点、

選択教科Bが八十一点。

情報が百点。英語が三十二点。

合計は六百六点。

平均は七十五点。

四捨五入では七十六点です

カバンの中を念入りに漁り、集計した情報です。狂いはありません。

備考として、英語が極端に弱い点でしょう。赤点ぎりぎりでしたね

(あれぇ!? 僕のプライバシーは皆無!?) と、とりあえず、僕の勝ちになったのか

僕はほっと息をつき、胸をなでおろします。

すると、真田は呆れてこう言いました。

あのねぇ。こんなやつと十何点の差だよ? 香君も馬鹿の部類に入ろうとしているわけだからね!

(あゆみ=馬鹿!?) いや、それは言いすぎだろ。僕は素直に思うよ。あゆみは頑張ったって

感想と同時に、あゆみをフォローします。

すると、あゆみは両手を合わせ、僕を上目遣いで見つめました。

うん。頑張ったよ。でもね。香君と約束していたよね。ボク……香君の言うことを何でも聞くって

あ、ああ……そうだったな

僕が返事をすると、真田が間髪入れずにこういいます。

じゃあ、死んでくれってお願いしてよ

(それは酷いだろ!) あぁ~。まぁ、その話は今度だ。

それにしても、破魔はよくも僕の点数を暴露してくれたな。お前は何点だ?

破魔に話を振ると、彼女は眼鏡を輝かせて回答しました。

えっと、満点はありませんでした。しかし、平均点は丁度九十九点です。あとは皆さんが想像してください

(さらっとすごいことを言った!?) わ、分かったよ。真田は?

あまりにも単純すぎたので、今度は真田に話を振ります。

すると、彼は朗らかな笑みを作り、こう言いました。

うん。僕はだいたい八十から上。合計は七百ちょっとくらいで、平均はもちろん八十より上くらいだね

へぇ~。リアルに頭いいな

彼の答えは現実的な数値です。

〔つづく〕

登場人物

草薙 香    主人公

真田 刃(剣) 香の親友(ある事情で、兄を演じる香の彼女)

宮司 破魔  眼鏡の学級委員長

西藤あゆみ ボクッ子の迷惑少女、香の同級生


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ストーリーの概要・あらすじ

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