消えてしまうはずの命だったツバメの雛

シングルならではの苦労を抱え懸命に育て守り抜き

3羽元気に巣立っていった

ツバメと人間、適度な距離を置きながらも見守り続けた

一羽一羽見分けも付くし、ツバメにも個体によって性格が違うことも分かった

そこまでなるとやっぱ情も湧き、巣立ちの瞬間はまるで親の心情だった

そして私も娘二人を連れて10年過ごしたそのアパートから巣立ちを決行した





お義母さんが自殺した時から自分の中で離婚を強く意識し始めた

それでも私なりに変えるように、変わってくれるように努力をしてきたつもり

でも、、、何も変わらなかった

変わろうともしてくれなかった

長年の努力が全く無駄だったと打ちのめされた

共依存を裁ち切る時なんだと理解した

私が居るからダメなんだ

子供たちが離婚を嫌がるうちは我慢するつもりだった

けど、子供に対するモラも顕著になってきて子供たちが父親を嫌うようになった

いつも一緒にいるのはイヤだと、、、

子供たちに引っ越しの提案をしてみたら思いの外乗り気だった

コロナによって想定外の特別給付金という臨時収入、アクションを起こすなら今しかない

ずっとタイミングを逃してた離婚届を渡した

旦那は内心驚いていたが、平静を装って生返事をするだけだった

そこからダラダラと何ヵ月も過ぎて行った

何度催促してものらりくらり

サインをする気はないように見えた

半ば諦めかけていた







6月10日

片割れのお父さんが亡くなった

ずっと疎遠になってたお父さんと、息のある内に片割れには再会して欲しかったが叶わなかった

そして遺産目当ての嫁との離婚もまず難しいだろうと落胆した

ところが現実は予想外で、今まで全く無反応だった嫁があっさりと離婚届を提出した

もう◯◯家と関わりたくないと

片割れは自分の寿命や先を考え、遺産相続の全てを放棄した

家も姉弟も家族も財産も全て手離し、全てを失い、自由を得た

そしてその身一つで私の元へ来た





考え過ぎとは思うけど、亡くなったお父さんが自ら犠牲となってくれたんじゃないかとさえ思う

それ程に、どうにもならず行き詰まっていた現状が一気に流れ始めた

片割れは私の住む所に住所変更して同じ市民になった

そして、アパートを借りて一緒に暮らそうと提案してきた

改めて二人で不動産へ行き、物件を探し内覧もして自分達の暮らす場所を見つけ契約も済ませた





次は私の番だ

旦那には極秘で引っ越しの準備を進めて行った

学校や会社や地域など、旦那以外に報告をした

子供らは毎日、いつからあっち?と待ちきれず引っ越しを急かした

迷いはあったけど、もう後に引けないよう追い込んだ

そして7月31日に旦那に引っ越しを告げ、翌日8月1日から新しい生活をスタートした

片割れと私たち親子の奇妙な共同生活が始まった